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経済産業大臣賞に城南信金、文部科学大臣賞に弘前大学、
農林水産大臣賞はとかち財団 イノベーションネットアワード2020

本誌編集長 山口 泰博

2020年11月15日

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東京都千代田区のTKP御茶ノ水カンファレンスセンターで2020年9月29日、地域産業の振興や活性化に貢献した団体・個人を表彰する、第9回地域産業支援プログラム表彰事業(イノベーションネットアワード2020、主催:一般財団法人日本立地センター、全国イノベーション推進機関ネットワーク)の受賞プログラム・受賞者の表彰式が行われた。

受賞者写真

経済産業大臣賞に選ばれたのは、城南信用金庫の「よい仕事おこしネットワーク」、文部科学大臣賞は、弘前大学COI研究推進機構(健康未来イノベーションセンター)の「健康ビッグデータをハブに産学官金民の強固な連携で新産業創出をめざす弘前大学『寿命革命』プロジェクト」、農林水産大臣賞は、公益財団法人とかち財団の「地域のものづくりを柱とする「とかち型ビジネス支援」プログラム」。

よい仕事おこしネットワークは、中小企業の事業支援、地域問題の解決に取り組むプロジェクトで、全国の149の信用金庫が協力し、そのネットワークを活用。オンライン上でのマッチングにより、約1年間で119件が成約。会津信金取引先企業と三島信金取引先企業とのマッチングを城南信金が仲介し、わさび漬けを商品化した。専任のコーディネーターらが能動的に地域企業同士をつなぐフォローも奏功している。

健康ビッグデータをハブに産学官金民の強固な連携で新産業創出をめざす弘前大学『寿命革命』プロジェクトは、「短命県返上」という地域的課題解決のため、弘前大学が地元自治体と一体となり、2005年から15年間にわたり岩木地区の住民1,000人を対象に行った「岩木健康増進プロジェクト」のデータ活用だ。DNA、生理・生化学データ、個人生活活動データなど最大3,000項目を蓄積した健康に関するビッグデータを活用し、予防・先制医療を推進。平均寿命、健康寿命が着実に伸び、短命県返上への貢献が受賞につながった。

地域のものづくりを柱とする「とかち型ビジネス支援プログラム」は、十勝地域の基幹産業である「食」と「農」に特化した企業支援で、農業機械・食品製造機械などの開発支援や食品の開発支援、スタートアップ支援・起業家人材の育成の三つの支援プログラムを構築。AIを活用して発情・疾病兆候など牛の活動情報を自動検知するクラウド牛群管理システムやウエアラブルデバイスなどを開発し、十勝地域をはじめ、国内外の酪農・畜産生産者に広く導入し、生産性向上や労働環境の改善に寄与する。その結果、94件の新事業創出や大手企業との共同プロジェクトなどが誕生。約480アイテムの商品化を実現し、過去10年で農業・食品加工機械で約20億円、加工食品で約40億円の売上増を実現した。

第9回地域産業支援プログラム表彰事業(イノベーションネットアワード2020)の受賞プログラム・受賞者は次の通り。

【地域産業支援プログラム】経済産業大臣賞:よい仕事おこしネットワーク(城南信用金庫)、◇文部科学大臣賞:健康ビッグデータをハブに産学官金民の強固な連携で新産業創出をめざす弘前大学『寿命革命』プロジェクト(弘前大学COI研究推進機構「健康未来イノベーションセンター」)、◇農林水産大臣賞:地域のものづくりを柱とする「とかち型ビジネス支援」プログラム(公益財団法人とかち財団)、◇全国イノベーション推進機関ネットワーク会長賞:光の応用産業を創出・発展させるための技術・経営一体型ハンズオン支援事業(光産業創成大学院大学)、◇一般財団法人日本立地センター理事長賞:高付加価値企業・産業の育成とオープンファクトリー開催による持続可能な産業形成(つやま産業支援センター)。

優秀賞は3件、◇優秀賞:周年マルチ点滴かん水同時施肥法(マルドリ方式)の開発および技術導入・運営支援による高収益カンキツ経営の実現(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)、◇同:産学連携による次世代スマート植物工場技術強化およびグローバル展開支援(特定非営利活動法人植物工場研究会)、◇同:デザイン視点での企業支援ニイガタIDSデザインコンペティション、百年物語プロジェクト、Design LAB(公益財団法人にいがた産業創造機構)。

地域イノベーション・地方創生の支援活動に携わっている個人を表彰対象とした「全国イノベーション推進機関ネットワーク堀場雅夫賞」は、株式会社ソアラサービス(広島県広島市)代表取締役社長の牛来千鶴(ごらいちづる)氏。広島でシェアオフィスの草分けとして、20年ほど前に当初10ブースで「広島SOHO'オフィス」を創業。今では、およそ100社が入居する大型シェアオフィスに拡大。その経営手腕と感性から、創業支援、商品開発、地場企業とクリエイターの連携によるブランド構築ほか、多くのプロジェクトを手掛け、長年にわたり多くの創業者や企業を支援してきたことが評価された。

また、次回のイノベーションネットアワード2021は、12月25日まで応募を受け付け中。他薦は11月27日まで。