巻頭言

技術力を研鑽して社会に貢献

株式会社テクノ菱和 代表取締役社長執行役員 黒田 英彦

写真:株式会社テクノ菱和 代表取締役社長執行役員 黒田 英彦

2020年06月15日

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1970年代から「地球環境問題」は私たちの永遠のテーマとして掲げられてきた。2015年に国際連合が採択した持続可能な開発目標(SDGs)では、2030年までに取り組むべき目標とターゲットが示されており、わが国においても高い関心が寄せられている。

テクノ菱和は、環境のトータルエンジニアリング企業を標榜(ひょうぼう)し、低炭素社会に向けた環境制御技術を提供している。産業用空調設備の設計施工を主力分野として、空気調和や給排水衛生、電気設備の設計、施工、メンテナンスを通じて、お客様の求める最適な生産環境と快適な空間を実現している。お客様には、食品・医薬品関連、電子デバイス関連など、高度な空調設備が要求される業種も多く、技術力のたゆまぬ研鑽(けんさん)と新しい技術の開発が必要とされている。

当社は、1949年に資本金25万円、全従業員6人の小さな会社でスタートした。最初の仕事はミカン貯蔵用の冷蔵庫作りであった。ミカン業者から「品質を落とさずに2~3カ月間貯蔵できる設備を作ってほしい」との依頼を受け、注文主の期待どおりのものを作って納入した、と社史に記されている。創業から70年間、当社の技術の向上と発展は、様々なお客様からの要望に応えて果敢に挑戦していく過程で習得した、実用的な技術の蓄積によってなされてきた。

2018年には技術開発研究所を横浜に新築移転し、技術力の一層の研鑽に努めている。しかし、社内だけでは新しい発想や視点は生まれてこない。そこで、従前より大学の研究室との共同研究にも注力している。現在は五つの大学の研究室と継続的に当社の研究テーマに関連する連携を行っている。その研究室の一つに当社の社員が社会人入学していたのだが、この3月に無事に博士号(工学)を取得することができたといううれしいニュースが届いた。大学との共同研究は、単に一企業の利潤追求を目的とするものではなく、世の中の役に立つ新しい技術の開発や、人材の教育・育成にも資するものであると常々考えている。

冒頭に掲げた「地球環境問題」に加えて、新型コロナウイルス感染症が新たな脅威として登場した。今まさに世界中で猛威を振るっており、地球温暖化よりさらに身近な恐怖である。これまで特定の地域で特定の生物と共生していたのであろうウイルスを人間界に呼び込んでしまったのであれば、これもある意味で「地球環境問題」の一部と捉えることができる。そして、この新型コロナウイルス感染症に対峙(たいじ)するには、大学の研究室や企業、あるいはいずれかの国家をもってしても、単独では到底勝ち目がない。私たちが持続的に発展するためには、産業界、学会、官界が一層連携していくことが重要と思われる。

今回の試練を機に、産学官の連携が加速することになれば、と期待している。

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