巻頭言

「食を支え、くらしを守る」
人材の育成を通じた、地域社会への貢献

帯広畜産大学 学長 奥田 潔

写真:帯広畜産大学 学長 奥田 潔

2020年05月15日

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本学は、わが国唯一の国立農学系単科大学として、「知の創造と実践によって実学の学風を発展させ、『食を支え、くらしを守る』人材の育成を通じて、地域および国際社会に貢献する」ことをミッションに掲げている。その研究環境は、産業動物臨床施設群をはじめとする教育研究施設、乳製品工場など国際認証基準に適合した実習施設など、世界に比肩(ひけん)できる教育研究が行える体制を整えるとともに、ミッション達成のため、共同獣医学課程では、動物の疾病の診断と予防技術に実践的に対応する臨床獣医学分野および人獣共通感染症をはじめとした公衆衛生学分野に貢献できる獣医師を養成している。また、畜産科学課程では、「農場から食卓まで」をスローガンとし、生命・食料・環境を科学し、食品衛生も含めた農畜産の幅広い分野の専門職業人を養成している。

現在、農業は食料生産分野に限らず、障害者や高齢者の就農や就労につなげる福祉分野との連携(農福連携)やAI、IoT、ロボット技術などの先端技術を組み合わせたスマート農業の導入が進められるなど多様な分野において注目されており、21世紀最大の成長産業とまで言われている。本学は日本の食料生産基地と言われる広大な北海道・十勝平野の中心にキャンパスを構え、獣医学や畜産学、農学に関する実学に基づいた教育と研究を推進しているが、地域の試験研究機関や農業・食品・動物関連企業、さらには動物衛生や食品安全を担う国際機関、途上国に対する国際協力機関などとも連携しながら教育と研究を展開し、多様化したグローバル社会の要請に即した農学系人材を輩出することによって、地域ならびに世界に貢献をしてきた。

教育研究機能を充実し、さらに北海道や地域の経済・産業の発展に貢献するため、2022(令和4)年4月の小樽商科大学と北見工業大学との経営統合に向けて準備を進めている。三大学の経営統合により教育内容がさらに充実し、幅広い知識を持った優秀な人材を社会へ送り出せることが期待される。また、それぞれの大学の特色を生かして実施している産学官連携事業についても、農商工が連携することによって、より幅広い分野での連携事業が可能となり、それぞれの地域ばかりではなく北海道経済・産業の課題解決、その発展に一層貢献することが可能となる。これまでの北海道経済は農業・水産業・林業などの一次産業の側面でしか捉えられていなかった。今後は、さらなる付加価値の向上、新しい産業の創出を含め新生北海道の誕生に大きく貢献していけると確信している。

2020年5月目次

リポート
巻頭言
視点
編集後記