編集後記

世界レベルの研究が地方公立大で

本誌編集長 山口 泰博

2020年03月15日

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自治体が母体の公立大学といえば、地元密着の地域連携と想像する人もいるかもしれない。当然だが研究に関しては世界がターゲットだ。

都内で行われた横浜市立大学の「記者懇」では、まさに世界レベルの最先端研究に触れることができた。中でも先端医科学研究センターは共同研究支援、バイオバンク、大型国家プロジェクト、研究開発と医科学の要だ。

ゲノム解析によって希少遺伝性疾患の原因解明で世界をリードしてきた松本直通教授をはじめ、脳卒中後のリハビリテーション効果を促進させる新薬の候補化合物「エドネルピクマレアート」の特定では高橋琢哉教授が説明。自然免疫の過剰な反応を防ぐ新たな仕組みを発見し、その破綻と自己免疫疾患の関わりの解明を田村智彦教授が、さらに、エイズの原因となるヒト免疫不全ウイルス(HIV)が宿主細胞内の防御システムから逃れる分子メカニズムを明らかにしたことを梁明秀教授が説明した。

難治性疾患は原因の特定が先決である。原因が分からなければ対症療法に頼るしかなくずっと病と付き合っていくしかない。これらの解析や発見、特定は、治療を待つ患者の希望になる。

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