視点

中核人材は内部にあり

高知工科大学 研究連携部IoP推進事務室長 佐藤 暢

2020年01月15日

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先日、地域活性学会の全国大会で座長を引き受けることになった。担当した研究発表は、いずれも地域連携や人材育成に関する内容であった。以下、著者の印象も交えて一部を紹介したい。

ある市では、地域の将来を考える未来会議に参加する市民を、従来の公募形式ではなく無作為抽出で指名した。そして主体的な議論を推し進めるため、市はシナリオを用意せず、職員はサポート役に徹したという。政策形成という難題に対し、参加した市民の多くはやりがいを感じたとのことで、この未来会議は年を追うごとに議論が活発化しているという。

ある企業では、社長と社員のコミュニケーションギャップが経営上の課題と認識し、外部人材を投入して社員の本音を引き出す試みを行った。その結果、社長あるいはベテラン社員の気付きや、若手中堅社員の主張を引き出した。そして、お互いに分かり合える、笑い合える組織に成長し、経営力の向上にもつながったという。

前者では行政と市民がつながり、後者では経営者と従業員がつながった。いずれも小さな行政体や企業体の、一見すると地味な取り組みであるが、地方創生・地域活性に向けた産学官民連携のありようを考えるとき、あるいは、地域から新たな価値の創造に向けた「連携」が果たすべき機能を考えるとき、これらの事例が示唆するところは小さくない。人材は、資源は、そこにある。その能力や魅力を引き出すのが「連携」の機能といえるのではないか。

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