視点

地方都市における医療体制

一般財団法人浅間リサーチエクステンションセンター(AREC)センター長・専務理事/信州大学 繊維学部 特任教授 岡田 基幸

2019年6月15日

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左目の視野が突然欠けはじめ、あっという間に半分以上が暗闇に。網膜剥離(もうまくはくり)と診断され、1時間後には手術台に。眼球に針管を3本挿される稀有(けう)な体験をした。手術中は、痛みも不快感もなく、本誌にもたびたび取り上げられる医療器具の進歩を実感した。術後は、眼球に入れたガスの圧で剥離した網膜を接着させるため、3週間はうつ伏せ、下向きの体位制限でした。

さて、私が住んでいる長野県上田市は人口およそ15万人の中規模の都市。これまで、網膜剥離の手術は、松本市の信州大学医学部附属病院か長野市の長野赤十字病院まで出向き、治療を受けることがほとんど。今回は、市内に新移設の個人経営の眼科で手術を受けることができた。医者は、最新の医療機器の設備投資のために、都市の産業経済の規模から患者数と回収の算段を見込む。患者は、機器や施設の新しさにも魅了され、かかりつけ医を選択する。眼科、歯科、整形外科、脳外科、産科は、製造業と同じく設備投資のタイミングと決断が欠かせない。

このまま、順調に歳を重ねると、医者通いになることは間違いない。民間主体での1次、2次の医療体制が担保される上田市であり続けて欲しいと願うばかりだ。