視点

地域防災の重要性と産学官連携

名古屋商工会議所 産業振興部 モノづくり・新産業グループ長 佐藤 航太

2018年1月15日

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先日、熊本を訪問する機会を得た。多くの被害が発生した約1年半前の熊本地震による製造現場の被災と復興の取り組みを視察して、企業BCP(事業継続計画)に役立てるためである。

熊本地震では前震と本震という2度にわたる強い揺れにより、加工機は土台から落ち、収納された部品や工具類はぶちまけられ、建屋のクレーンが落ちて大型プレス機が破壊された。ここから生産現場では早急な復旧と改善による災害に強い現場づくりが進められた。関係各位には敬服するばかりである。一方、近い将来の大地震が心配される当地域では「その時」への備えが産学官の連携によって進められている。

名古屋大学の「減災館」は研究拠点であると同時に、展示や映像・模型、ハザードマップなどさまざまな手法で減災を学べる。2014年の開館から入館者は5万人を超えている。愛知工業大学には地域の企業や団体が防災を学ぶ「あいぼう会」がある。セミナーやワークショップ、見学会などの活動が東日本大震災以前の06年から、10年以上も続けられている。

熊本地震で瓦や石垣が崩れた熊本城を見ると、自然のパワーと人間の無力さを感じるが、それでも備えるしかない。「その時」に備えた取り組みに終わりはないと感じた熊本訪問だった。