リポート

福岡大学×イオン九州 
イオン健康ポイント in 香椎浜

イオン九州株式会社 九州エリア政策推進 部長 倉富 尚也

写真:イオン九州株式会社 九州エリア政策推進 部長 倉富 尚也

2018年1月15日

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イオン九州の概要

イオン九州株式会社はイオングループの一員として1972年に設立し、九州と山口県で134店舗を展開する総合小売業である。食料品、衣料品、住居余暇商品を扱うGMS(総合スーパー)事業を中心に、ホームセンター事業などを運営しており、常に地域に根差し信頼される企業を目指している。

歩きながら、ポイント貯めて健康に!

「イオン健康ポイント in 香椎浜」は、福岡市民の健康増進・維持に対するきっかけづくりを目指し、継続的実施の動機付けと、その効果を参加者と相互に確認するため、イオン九州と福岡大学との共同事業として開催した。この事業は福岡市が「健寿社会」の実現を目指す「福岡100」プロジェクト*1の一環として進める「福岡ヘルス・ラボ」*2で選定された事業である。

福岡市とイオン株式会社は2011年12月に地域共働事業に関する包括協定を締結し、双方の魅力を生かして事業に共働して取り組み、福岡市の一層の活性化および市民サービスの向上に取り組むことを目的としている。これまでにイオンモール香椎浜において、福岡市保健福祉局と連携し特定健診(よかドック)や乳がん健診などを実施している。

今回の「イオン健康ポイント in 香椎浜」は、イオングループが地域のお客さまの日々の暮らしに寄り添い、店舗を通じて「ヘルス&ウェルネス」に関わるニーズに対応し、一人一人の幸福感(ハピネス)を実現し、地域の健康拠点を目指した取り組みの一環である。

きっかけは青森県、弘前大学との「産学官による健康寿命延伸」

青森県と弘前大学の協力の下、2014年10月にイオンモールつがる柏で「つがる健康ポイント」がスタートした。平均寿命が最下位といわれる青森県が「短命県返上」を目標に3者が協力した取り組みで、その後は15年に計2店舗、16年には計10店舗、イオン九州では16年7月に宮崎大学の協力で、県の目標である「目指せ!健康長寿日本一」をテーマにイオンモール宮崎でスタートした。ことしは2回目の宮崎、そしてイオンモール香椎浜で11月からスタートした。

実施にあたり、17年1月から福岡大学医学部看護学科・スポーツ科学部と取り組みの目的、実施内容、取り組み事項、健康度測定項目などの協議を重ねた。その後、17年9月中旬に同大学との共同事業として「福岡ヘルス・ラボ」事業へ応募。結果、10月末に福岡市・福岡地域戦略推進協議会(FDC)から「平成29年度の市民参加型実証実験事業」に選定され、11月4日から「福岡ヘルス・ラボ」選定事業第一弾としてスタートした。

イオン健康ポイント in 香椎浜

「イオン健康ポイント in 香椎浜」は、2017年11月4日から18年3月3日まで実施する。安心、安全、そして天候に左右されにくいモールを活用し、市民の「お買い物の場」としてではなく「コミュニティーの場」として位置付け、健康増進に役立てる目的で気軽にウオーキングを楽しみ、店内4カ所のタッチスタンドでイオンの電子マネー「WAONカード」をタッチして健康ポイントをためるゲーム感覚のウオーキングラリーである。初日と最終日には産学官で協働した「健康度測定会」を実施、参加者へ200健康ポイントが付与される。また、測定会で参加者の健康度のビフォー・アフターを検証することで、市民の健康と意識向上に取り組んでいる。

当日は、産学官民参加による健康促進セレモニーを開催し(写真1)、福岡市の荒瀬泰子副市長による開催挨拶、福岡大学基盤研究機関身体活動研究所田中宏暁所長の「スロージョギング健康法」の基調講演、さらにセレモニー参加者と福岡安全センター株式会社健康運動指導士の佐藤紀子氏の指導でスロージョギングを体験した(写真2)。セレモニー終了後の「健康度測定会」では、福岡大学医学部看護学科、九州大学病院の皆さまの協力の下、6分類、21項目を測定した。120人が参加・登録し、「健康度」を確認した。女性88人、男性32人、年齢別では60代39人、50代19人、40代22人、70代14人と、健康への意識が高い人が多く参加した。スタートして1カ月後の12月3日現在、511人が新規登録し、累計会員631人となった。

写真1
写真1 健康促進セレモニー・パートナーシップ握手
左からイオン九州(株)中福岡事業部 事業部長 田口喜和子氏、福岡市副市長 荒瀬泰子氏、福岡大学基盤研究機関身体活動研究所所長 田中宏暁氏
写真2
写真2 福岡安全センターの佐藤指導士によるウオーキングレッスン

女性74%、男性26%、年齢別では80代2%、70代14%、60代29%、50代15%、40代20%、30代15%、その他5%の構成で、日々平均240人が4カ所のタッチスタンドにタッチし健康ポイントをためながら、店舗内コース約1,645歩、約1.2Kmをウオーキングしている。現在は1日平均10人が新規登録し、店内ウオーキングを楽しんでいる。また毎月15日、30日は福岡大学大学院 スポーツ健康科学研究科 健康運動指導士(公益財団法人健康・体力づくり事業財団認定)の釘本郁美氏のスロージョギングの講義を開催し、その後、店内ウオーキングレッスンによる指導を実施している(写真3)。レッスン中は、参加者が歩き方などについて熱心に質問する姿も見られ、開催ごとに参加者が増えている。

写真3
写真3 釘本指導士による店内ウオーキングレッスン

今回の取り組みは、イオン九州としてイオンモール宮崎に続いて2店舗目となる。今後も両モールでは活動を継続し、健康寿命延伸に向け、行政や大学と手を取り、さらに多くの人の健康維持・増進の一環として取り組んでいきたい。

*1:
「福岡100」プロジェクト
福岡市が人生100年時代の到来を見据えて、一人ひとりが心身ともに健康で“自分らしく”生きていける接続可能な社会システム、すなわち、「個人」と「社会」双方が幸せになれる健寿社会モデルづくりのコンセプトとそれを具現化するための100のアクションを総称したもの。これは福岡市の保健医療分野における新戦略で2017年7月に開始し、25年までに100のアクションを実施する。2017年7月時点で6つのアクションが公開されている。(福岡市ホームページより)
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*2:
「福岡ヘルス・ラボ」
「福岡100」プロジェクトの目的である、市民の健康寿命延伸を市民や企業、大学、行政が共働・共創しながら、健康づくりや介護予防などにおける市民ニーズや社会課題の解決に役立つサービスモデルの創出を促進する仕組み。2017年度は、参加した市民の健康の維持・増進や介護予防等との相関関係の程度を確認して、健康寄与度を評価する、市民参加型実証実験として5事業を選定。
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