特集大学発ベンチャー表彰2017

株式会社PKSHA Technology 
アルゴリズムの先端技術で「未来のソフトウエア」を形にする

株式会社PKSHA Technology 代表取締役 上野山 勝也

写真:株式会社PKSHA Technology 代表取締役 上野山 勝也

2017年10月15日

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【大学発ベンチャー表彰2017】文部科学大臣賞
さまざまな大学の研究室の知恵を結集し、人工知能領域のアルゴリズムサプライヤーとして、大手企業のインフラを活用しながら、各領域のトップ企業へアルゴリズムを提供するなど大企業との連携を元にした急速な成長等が高く評価された。今後国内のみならずグローバルな活躍を大いに期待する。

アルゴリズムの先端技術で「未来のソフトウエア」を形にする

株式会社PKSHA Technology(パークシャテクノロジー、以下「当社」)は深層学習技術を用いた「各種ソフトウエア・ハードウエアを知能化する技術」の研究開発と社会実装を行う東京大学発ベンチャー企業として、2012年、深層学習のブレークスルーとともに、東京大学松尾研究室の卒業生により、東京大学産学協創推進本部内に設立された。アルゴリズム領域の最先端の技術キャッチアップからその応用までをワンストップで行うべく、東京大学、東京工業大学、東北大学、奈良先端科学技術大学院大学の情報科学分野の研究者が多く所属し、先端情報技術の産業応用という文脈にモチベーションを持ち、製品開発とビジネス開発を行っている。

「未来のソフトウエアを形にする」をコーポレートミッションに掲げ、主に自然言語処理、画像認識、機械学習/深層学習技術に関わるアルゴリズムソリューションを展開し、さまざまなソフトウエアおよびハードウエア上に組み込こむことで、顧客企業の業務の半自動化・自動化を通じた業務効率化、サービス・製品の付加価値の向上、サービス自体のモデル革新を支援している(図1)。

図1
図1 画像識別エンジン「PKSHA Vertical Vision」・自動応答エンジン「BEDORE」

当社は下記の四つのステップで、知的な処理を行う未来のソフトウエアが社会に普及していくと考えている(図2)。12年以降の深層学習技術の登場を機に、インターネットに接続されたソフトウエアが帰納的推論能力を有した(ヒトではなくデータにより記述される)アルゴリズムに置き換わり始めており、今後も知能化されたソフトウエアの普及は加速度的に進んでいくと思われる。

図2
図2 当社の考えるアルゴリズムの浸透プロセス

日本の労働人口の減少に伴い労働生産性の維持・向上の社会的要請が高まる中で、当社が「未来のソフトウエア」としてのアルゴリズムを自ら形にし、近未来のポストデジタル情報社会へ向けて価値を創造することに大きな社会的意義を感じている。

アカデミアとの連携・新たな産学連携のカタチを模索・体現

深層学習技術の社会実装のチャレンジの一つに、「深層学習領域のソフトウエア技術」「制御デバイス技術」「光学センサー技術」という三つの異なる技術分野の技術をすり合わせ、実装していくということがある。

学問分野では縦割りの構造が一定程度存在しているが、深層学習技術を社会実装するためには、分野をまたぎ、技術をすり合わせる技術開発が重要であり、当社は意識的に分野横断のすり合わせ技術への取り組みを行っている。

その手段として、情報科学分野の複数の研究室と、さまざまなレベルでの技術連携を行っている。第一に、当社に所属するエンジニア・研究者が研究室の社会人博士として各研究室に所属するケースが増えている。

研究者が当社に入るケースと、当社の技術者がより専門性を高めるために研究室に所属する両方のケースが存在する。これらは研究のためのデータへのアクセスや経済的な安定性を技術者に提供できるという面で、情報科学技術の研究者・技術者のニーズに合ったものであると考えており、研究成果を社会実装する新しい産学連携の仕組みとしても機能していると考える。

当社はアカデミアの知見を翻訳し社会実装する企業として、今後もアカデミアとの連携をさらに高め、ポストデジタル情報社会をけん引する存在でありたいと考えている。