イノベーション・ジャパン2012
東京工業大学 大学院理工学研究科 材料工学専攻
教授 田中 順三

うろこコラーゲンを用いた高機能医療デバイスの創製
 
 
出展分野 マテリアル・リサイクル プレゼンテーション
情報
PJ-17 
JSTブース内「ショートプレゼンテーション」コーナー 
2012年09月27日 11時40分~
出展ゾーン 大学見本市
展示会小間番号 Z-8

研究成果概要

技術の概要

テラピアのうろこは高純度のコラーゲンから成り立っている。コラーゲンの三重らせん構造を保ったまま、抽出する技術を開発した。うろこ由来のコラーゲンは人獣共通感染症がなく安全性が高い。さらに変性温度(ゼラチン化温度)がブタやウシに匹敵する温度(37℃)である。従来のコラーゲンに比較して、うろこコラーゲンの高い保水性、機械的強度、線維化能、細胞接着性、骨置換性を活かし、再生医療用細胞培養基材や創傷被覆材に利用可能な高強度うろこコラーゲン線維化膜を開発した。さらに、うろこコラーゲンを高密度化し水酸アパタイトと複合化した高強度人工骨を開発した。

技術の特徴

テラピアのうろこコラーゲンは従来のコラーゲンに比較して高い線維化能を有している。この性質を利用してコラーゲン線維の密度を上昇させ、高強度のコラーゲン線維膜を作製した。うろこコラーゲンは保水性、細胞接着性が高い。そのため高強度コラーゲン線維膜は、創傷被覆材や細胞培養基材への応用が考えられる。さらにうろこコラーゲン線維を遠心沈降させることで濃度を高め、高密度化したうろこコラーゲンと水酸アパタイトの複合体を作製した。うろこコラーゲンは生体吸収性が高いため、作製した複合体は骨置換性の高い高強度人工骨としての応用が考えられる。

企業に期待するもの

うろこコラーゲンを用いた高機能医療デバイスの実用化を期待する。創傷被覆材では、動物やヒトを用いてうろこコラーゲンの効果の実証が必要である。また、骨補てん材では実用化に向けてさらなる高強度化が必要であるとともに、骨再生メカニズムの解明が求められる。

展示の見どころ

テラピアのうろこから抽出したコラーゲンは、従来のブタ皮膚由来のコラーゲンと比較して保水性が高く、線維形成能が高い。そのため高強度化しやすい。さらに従来のコラーゲンよりも細胞接着性が高いため細胞を活性化することができる。高強度化したうろこコラーゲンと水酸アパタイト複合化人工骨は、従来製品と比較して2倍程度速く骨を再生させる。

マッチングを想定する業界

化粧品/医薬部外品/医療機器の製造販売企業

産業界へのアピールポイント

産学連携によって、テラピアのうろこコラーゲンを実用化した。うろこコラーゲンの高い安全性を確認しており、細胞培養用コーティング溶液としても実用化されている。このうろこコラーゲンを基に、高強度コラーゲン線維膜や高強度コラーゲン複合体の作製技術を確立した。救急絆創膏の市場規模は75億円、骨補てん材は70億円である。世界市場はこの約10倍であり、従来のブタ由来コラーゲンが禁忌であるイスラム圏への使用が可能なため、新たな市場の開拓が期待される。

想定される用途

医薬部外品、創傷被覆材、細胞培養基材、骨補てん材、化粧品添加物

関係する助成制度(採択済み)

NEDO大学発事業創出実用化研究開発事業、JST A-STEP本格研究開発ステージハイリスク挑戦タイプ、JST A-STEPフィージビリティスタディステージ起業検証タイプ

従来技術に対する新規性・優位性

うろこコラーゲンは、従来のブタコラーゲンと比較して間葉系幹細胞の初期分化能(ALP活性)がおよそ7倍高くなる(産総研と共同研究を実施)。その結果、高密度化したうろこコラーゲンと水酸アパタイトの複合体は骨再生が従来製品と比較して2倍程度速い。

実用化に向けた課題

創傷被覆材においては動物・ヒトを用いた効果の実証。 骨補てん材においては、さらなる高強度化と早期骨再生メカニズムの解明。

コラーゲン線維膜の電子顕微鏡写真
作製した人工骨を骨の欠損部分に埋め込んだあとの経過写真
 
 
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新技術に関する知的財産権

特許情報1

発明の名称 魚鱗由来コラーゲンおよびその取得方法 
出願人 独立行政法人物質・材料研究機構 
発明者 生駒俊之、柚木俊二、田中順三 
出願日 2005年3月16日 
出願番号 特願2005-76052 

特許情報2

発明の名称 高密度多孔質複合体 
出願人 国立大学法人東京工業大学 
発明者 田中順三、吉岡朋彦、柚木俊二、安田和則、杉浦弘明 
出願日 2009年5月28日 
出願番号 特願2009-128892 

特許情報3

発明の名称 高強度コラーゲン線維膜及びその製造方法 
出願人 国立大学法人東京工業大学 
発明者 田中順三、生駒俊之、吉岡朋彦 
出願日 2011年11月28日 
出願番号 PCT/JP2011/077424 

お問い合わせ先

連絡先:東京工業大学
TEL:03-5734-2519
FAX: