報告書
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(別紙1)
> 3.研究開発課題の個別評価
独創的シーズ展開事業 独創モデル化
平成16年度採択課題 事後評価報告書
平成17年10月
独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会
(別紙1)
3.
研究開発課題の個別評価
15
Si系有機・無機ハイブリッド薄膜を用いた長寿命非分子型有機ELフィルムの開発
企業名
:有限会社 マテリアルデザインファクトリー
研究者(研究機関名)
:中山 弘(大阪市立大学大学院 工学研究科
電子情報系専攻・応用物理学講座 教授)
1)
モデル化の概要および成果
次世代表示素子として有機EL(ElectroLuminescence)が注目される。現在の有機ELでは分子性薄膜が用いられているため、水蒸気、酸素と反応し容易に劣化する。そのため、ガラスと乾燥剤を用いた封止技術で寿命をもたせている。本モデル化では、大阪市立大学で開発された非分子型のSi系有機・無機ハイブリッド材料により、長寿命発光層と素子の保護膜を一貫成膜する方法を確立し、400x500mm
2
の基板サイズに適応した有機触媒CVD装置を試作し、大型フィルム基板にSi系ハイブリッド薄膜を高速に堆積する技術を開発することを目標としている。
今回の独創モデル化事業では、複合型有機触媒CVD(Chemical Vapor Deposition)装置の設計を行いその装置を完成し、その動作試験、成膜テストまでを実施した。
2)
事後評価
モデル化目標の達成度
複合型有機触媒CVD装置を開発した。膜厚分布、ELフィルムとしての組成の最適化などの特性上の課題を残しているものの、短期間にしては評価できる成果であり、今後の可能性も期待できる。
知的財産権等の創出
特許1件出願済み。
企業化開発の可能性
ELフィルムの企業化には解決すべき課題を残しているものの十分可能性があると考えられる。目標の課題の解決が必須。
新産業、新事業創出の期待度
計画的にデータを蓄積し、集中的に開発を進めればモデル化の残課題の解決は難しくはないと思われ、新事業創出の期待度は高い。
3)
評価のまとめ
新材料、新製法によるELフィルムの開発という最終目標には達していないが、得られた成果は非常に優れており、評価出来る。企業化の期待も十分に見えるところまで来ており、今後も計画的な開発努力の継続を期待する。
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This page updated on October 25, 2005
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