初代創発PO研究体制

創発研究者(2022年度採択)

ま行

前多 裕介

川村パネル

幾何学を軸とするアクティブ乱流物理学の開拓
複雑で乱れた流れは物質、生命、気象などの多岐にわたる階層でみられる普遍的現象です。私たちの体を守る上皮細胞も集団となり不規則な乱流構造を示しますが、その乱流発生の本質や、乱流を利活用する生物学的意義には理解が及んでいません。本研究では独自の幾何学的制御法とデータ駆動的手法を融合させ、細胞集団の乱流ダイナミクスに潜む幾何学的な法則を発見し、生体組織の恒常性を解明する新たな物理学領域を開拓します。

正木 慶昭

伊丹/福島パネル

微量副反応解析による長鎖核酸の化学合成法の開発
本研究では、核酸化学合成における微量副生成物を網羅的に定量する新たな手法を開発するとともに、長鎖核酸合成を可能にする新しい化学合成法を開発します。これまでの化学合成研究では、極微量な副生成物を定量できず、更なる最適化が困難でした。本研究では核酸分子の特徴を利用した高感度な定量法を開発し、核酸化学合成で起こっている現象を深く捉え、これまでにない長さの核酸化学合成を実現します。

増田 隆博

合田パネル)※卒業(研究開始前)

脳内マクロファージの多様性と中枢神経系疾患
脳を覆う髄膜などの脳境界領域に存在する脳境界マクロファージは、ミクログリアに続く第2の脳内マクロファージと呼ばれていますが、その役割や細胞特性はほとんど分かっていません。本研究では、脳境界マクロファージの細胞特性を明らかにし、正常脳内や中枢神経系疾患時における役割の解明を目指します。そして、中枢神経系疾患の制御に向けた、脳境界マクロファージを標的とした新規治療戦略の創出を目指します。

松尾 貞茂

川村パネル

スピン制御による新奇ジョセフソン超伝導現象の開拓
時間と空間の反転対称性の破れた超伝導体半導体接合では新奇超伝導現象の創発とその制御を目指した研究が近年活発に行われています。その中でも、ジョセフソンダイオード効果やマヨラナモードは将来的な応用可能性も含め注目されています。本研究ではジョセフソン接合のスピン制御および接合間のコヒーレント結合に着目し、これらの新奇超伝導物性の基礎学理の確立と新機能超伝導デバイスの創発および制御を行います。

松田 隆志

血圧制御を司る神経機構の研究
本研究では、血圧制御に関わる神経回路機構および脳内炎症による新規の慢性的昇圧機構の解明を目指します。生きた個体の脳内において複数の細胞の活動を同時に制御・観察する手法(マルチカラーin vivoイメージング)を確立し、異なる神経回路により伝達される血圧制御シグナルが統合される仕組みや、炎症性細胞が血圧制御に関わる神経活動を調節する仕組みを解析します。本研究は、複数の情報が脳内で統合される普遍的な仕組みの解明に繋がるものです。

松永 隆佑

北川パネル

テラヘルツ駆動高速ホール伝導ダイナミクスの精密計測と学理構築
現代の情報通信および処理技術はギガヘルツ帯の電子輸送を駆使して行われています。これをテラヘルツ帯まで拡張して次世代高速エレクトロニクス実現に貢献するため、本研究では、テラヘルツ電場で駆動される高速ホール効果に注目します。物質が持つ多彩な情報を内在したホール伝導を非平衡下で精密に計測することで、高速磁気デバイス開発やスピン流の高速ベクトル制御の実現に向けた計測技術開発と学理構築を目指します。

松野 敬成

伊丹/福島パネル

微小な圧力を駆動力としたナノ多孔質圧電触媒の開拓
ありふれた圧電物質に対して精緻なナノ細孔構造を導入することで、微小な圧力を駆動力としたレドックス触媒の実現と物質変換への利用を目指します。反応メカニズムの理解および反応系の探索を通じて、ナノ構造の観点から圧電触媒の設計指針を確立します。そして、一般的な物質合成プロセスで自然発生しうる、従来は有効活用できていなかった桁違いに小さい力学的エネルギーを活用した新たな物質変換システムの構築へと展開します。

松本 知訓

天谷パネル

多倍体細胞の系統分類と特性解明で拓く倍数性治療の創出
様々な病気や加齢に伴い、多倍体細胞と呼ばれる、通常の細胞と比べてゲノムDNAが倍加した細胞が増えることが知られています。またゲノムの倍加(多倍体化)は癌の発生や進展の原因となるとも考えられています。本研究では、細胞や臓器、疾患に多倍体化がどのような影響をもたらすのかを明らかにし、多倍体化の制御機構を解明することで、多倍体化を標的とする全く新しい抗癌治療法を開発することを目指します。

的場 章悟

胎盤による胚発生の保護メカニズムとその破綻
哺乳類の胚は胎盤によって制御された環境で発生します。本研究ではマウスをモデルとして、胎盤の機能異常が胎児の発生や生後発育、さらに成体になってからの健康に対してどのような影響があるのかを理解することを目的とします。そのため、胎盤の成り立ちから細胞種ごとの機能解析まで包括的に胎盤の研究およびその研究素材開発を推し進めます。開発した胎盤機能異常モデルマウスをもとに胎盤機能の理解と、その異常を治療する技術の開発につなげます。

丸山 剛

水島パネル

MHC-I 認識により制御される上皮細胞の細胞競合性免疫
細胞は自身の細胞内の微小な変化を、抗原というかたちで細胞外へ提示します。この内在性抗原の提示はクラスI-MHC(MHC-I)に依存しており、傷害性T細胞などの活性化によるがん細胞を含む異常細胞の認識および排除に極めて重要な役割を担います。最近私は、独自に同定した正常細胞の形質膜タンパク質受容体AltRが、がん変異細胞において発現亢進するMHC-Iを認識することで、上皮細胞の抗腫瘍能を惹起することを見出しました。このことは、細胞間相互作用シグナルの実体の一つを解明したことに加え、非免疫細胞である上皮細胞が、異常細胞のMHC-Iを認識するという免疫細胞様のサーベイランス機構を有する、という新たな発見です。本研究課題では、MHC-Iを介して促進される上皮細胞の攻撃・排除様式の探究を目的とします。

丸山 美帆子

北川パネル

生物における準安定形から安定形への相転移科学
生物は、結晶の相を自在に制御してバイオミネラル(結晶と有機物の精巧な複合組織)を作ります。例えば骨や歯はしなやかで強靱です。一方で病的組織である尿路結石や血管石灰化は、溶解や除去が困難で厄介な存在です。私は、生物の結晶相制御のメカニズムを解明し、骨や歯の欠損・尿路結石・血管石灰化の新規治療法や予防法の開発を目指します。さらに、生物の結晶化戦略を応用した、新しい結晶材料合成技術を開発します。

萬代 新太郎

田中パネル

循環細胞外小胞の制御によるサルコペニア・慢性腎臓病の克服
慢性腎臓病は世界人口の8億人以上が罹患し、サルコペニア(骨格筋量・筋力の低下)、心血管病や認知症など全身臓器の機能低下を介して、“腎性老化”を招きます。本研究は腎臓-骨格筋を軸に、血液中の循環細胞外小胞が形成する未知の臓器間ネットワークを明らかにすることで、既存の透析療法を一部代替する①透析代替薬、骨格筋量・筋力を高める②運動代替薬、の開発によって、健康長寿寿命を延伸可能な先進医療を目指します。

三木 卓幸

塩見(美)パネル

蛋白質超分子システムの細胞内導入による「解析」と「工学」
細胞内では複数種の蛋白質が動的に会合し、高度に制御された機能発現を実現します。この様な超分子システムの真髄を理解し応用するには、合成生物学によるBottom-up構築実験が重要です。本研究では、自由自在に蛋白質超分子を設計し、細胞内構築できるペプチド技術を開発します。これを用いて天然の蛋白質超分子の形成・機能発現メカニズムを「解析」します。更に、細胞「工学」に応用し、酵素群を人工集積化して有用物質の生産を試みます。

三島 英換

天谷パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

生命進化における抗フェロトーシスビタミンとしてのビタミンKの役割と治療応用
ビタミンKは血液凝固に必要なビタミンとして同定され、以後の研究でそれ以外にも多彩な生理作用が明らかとなってきました。ビタミンKの発見から約100年が経ち、新たに明らかになった作用があります。それが私達が発見したビタミンKのフェロトーシス細胞死の抑制作用です。本研究では、生命進化における抗酸化/抗フェロトーシスビタミンとしてのビタミンKの役割の解明とその治療応用性検討することを目的とします。

三代 憲司

伊丹/福島パネル

酸性官能基の水中での修飾技術を基盤とする生命科学研究
タンパク質、核酸等の生体分子の化学修飾技術は、分子の検出による診断、分子への薬効付与や物性改善による医薬品開発、分子間相互作用の可視化による生命の仕組みの解明等、様々な目的で利用されます。カルボキシ基、リン酸基等の酸性官能基は生体分子に多く含まれますが、これらの官能基の水溶液中での化学修飾は一般に困難であり、高い需要がありながら未発達でした。本研究では酸性官能基の効率的修飾法の開発及び診断・創薬への活用を行います。

水内 良

塩見(美)パネル

原始RNA集団における自己複製体の創発と進化
生命の起源では、原始地球に供給された短いランダム配列のRNA集団 (原始RNA集団) から自己複製体が創発し、進化によって生命の特徴を獲得していったと考えられています。本研究では、私がこれまでに携わってきた進化実験の知見と技術を原始RNA集団に適用し、これらの過程を実証します。この試みにより、未だ理解に乏しい原始 RNA 集団の動態を進化生物学に基づいて解明する新たな研究領域を創出し、生命の起源の包括的理解に繋げます。

水野 聖哉

石塚パネル

ミニマル染色体コンソミックマウスの創出
生体での遺伝子機能を明らかにするため、一つの遺伝子を欠損させたノックアウトマウスが作出・解析されています。一遺伝子ノックアウトマウスはとても有用な遺伝子機能解析モデルですが、複数の遺伝子が相互に機能を代償する場合には役に立ちません。そこで本研究では、代償性を持つ可能性がある100以上の遺伝子をシステマティックに刈込んでいくことで、疾患に関連する複数遺伝子の『組み合わせ』を特定することを目指します。

皆川 栄子

天谷パネル

睡眠による生理作用の分子基盤に立脚した健康寿命延伸戦略の創出
ヒトはなぜ人生の約3分の1を睡眠に費やすのでしょうか。その科学的な答えは未知ですが、一方で、睡眠の異常が様々な疾患のリスクを上げることが分かってきました。ヒトの健康を守る「良い眠り」とはどのようなものなのでしょうか。本研究では疾患予防をもたらしうる「良い眠り」の要素を明らかにするとともに、睡眠が身体に与える様々な生理作用の分子基盤を解明し、これらを活用して健康寿命を延伸する画期的な戦略の創出をめざします。

三野 享史

水島パネル

免疫におけるRNA制御の分子基盤
免疫が正しく機能する事は生体の恒常性維持に重要です。特に、免疫が過剰に働いてしまうと急性呼吸促拍症候群や、肺線維症、多発性硬化症などの自己免疫疾患の発病に繋がります。近年、この免疫の厳密な制御にRNA制御が重要であることが明らかになりつつありますが、その全容は未だに解明されていません。そこで、本研究では、免疫におけるRNA制御の分子機構を解明することを目指します。

三宅 崇仁

水島パネル

神経病態薬理学基盤拡張にむけたプレシナプトロジーの創成
現代の医学においても、精神疾患・神経変性疾患は治療の難しい病です。その背景には、脳神経機能がいまだに十分に理解されていないことがあります。本研究で私は、これまで見過ごされてきた神経機能コンポーネント「プレシナプス」に着目し新しいバイオ技術を開発することでプレシナプスを”見える”化し、病による脳機能の破綻メカニズムの解明に挑戦します。本研究を発展させることで、新しい作用機序をもつ神経系疾患治療薬の創成に貢献したいと考えています。

宮地 孝明

水島パネル

小胞型神経伝達物質トランスポーターを切り口とした革新的創薬
神経伝達の異常は生活習慣病のがんや全身性の合併症を発症し、予後不良を引き起こします。分泌小胞に伝達物質を運ぶ小胞型神経伝達物質トランスポーターは神経伝達の起点となる必須分子ですが、その多くは不明です。私は独自のトランスポーター評価技術を用いて、小胞型神経伝達物質トランスポーターの全体像と仕組みを明らかにし、これを切り口として、生活習慣病の克服に資する全く新しいタイプの革新的創薬を目指します。

宮西 正憲

水島パネル

造血幹細胞機能維持体外細胞増幅技術の開発
造血幹細胞を用いた細胞・再生医療は、白血病などの悪性の血液疾患以外にも、遺伝子改変技術等を組み合わせることで、将来的には様々な難治性疾患を根治しうることが期待されています。その一方で、造血幹細胞が生体内にごく僅かしか存在せず細胞の調整そのものが容易でないことが、これら夢の技術開発の大きな障害となっています。そこで本研究では、これらの医療技術開発に革新をもたらす体外細胞増幅技術の開発を目指します。

MIRYEGANEH Matin

合田パネル

環境変動とマングローブのエピゲノム動態
Modeling plant adaptation in face of climate change using genomics andepigenomics of stress tolerant Mangrove trees

本研究では、ストレス耐性マングローブ種を実験モデルとして使用して、気候変動によって引き起こされる環境ストレスに応答したエピジェネティックな変化の役割を研究しています。ストレスの環境レベルに基づいて自然個体群でエピジェネティックな変動が発生するかどうかを理解することで、エピジェネティックな変動と表現系の変化との関係についての洞察が得られ、植物の適応応答の理解を深めることができます。

村上 知成

合田パネル

脳神経ネットワークの形成メカニズム解明への基盤創出
本研究構想の目的は、発達期に視覚皮質領野間の軸索投射を誘導する分子メカニズムと聴覚野における神経ネットワークの形成過程を明らかにすることで、脳神経ネットワークの形成メカニズム解明への基盤となる研究領域を創出することです。そのために本研究構想では、一次視覚野(V1)から高次視覚野への軸索投射を誘導する分子メカニズムの解明し、さらに視覚経路と聴覚経路で形成戦略が共通しているかを明らかにします。

村田 順二

井村パネル

電解液を用いない電気化学的微細表面構造創成
電気分解を利用した加工やめっき、表面改質は様々な分野で活用されていますが、薬液を大量に使用することから、環境負荷が大きいことが課題です。本研究では、固体電解質とよばれる機能性材料が薬液を代替することにより、液体を使用しない新たな表面プロセスを開発します。様々な材料の表面に、マイクロ・ナノスケールのパターン加工や、局所的な表面改質により、電子・生体・機械材料の新たな機能の発現を目指します。

村山 恵司

伊丹/福島パネル

人工核酸の自己複製・翻訳反応の開発と分子進化法への応用
非酵素的鎖伸長反応を利用し、人工核酸L-aTNAの自己複製システム及び配列解析法を開発します。更に、L-aTNAから人工ペプチドを合成する人工翻訳システムの構築を行い、最終的にこれらの技術を統合することで酵素反応に頼らない分子進化法を実現し、機能性L-aTNA配列や新奇人工ペプチドの獲得を目指します。本技術は全く新たな創薬及び機能性中分子の開発技術として利用できるだけでなく、人工生命の創造、原始生命システムの解明への応用が期待されます。

元村 一基

塩見(美)パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

革新的順遺伝学が拓く花粉運命決定機構の包括的理解
本研究では革新的なスクリーニング技術を開発して、花粉を構成する2種類の細胞、栄養細胞と精細胞それぞれの分化を制御する転写因子群を網羅的に同定します。そしてその転写因子間の関係性を調査することで、ひとつの細胞から花粉という組織が成熟するまでの分子メカニズムの全容を解明します。その知見から植物の分裂分化の共通原理に迫ります。それに加えて、創出したスクリーニング技術を用いて、様々な種類の細胞の運命決定因子を同定して、それを利用して細胞運命を転換させる技術の創出を目指します。

森 貴裕

水島パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

合理的酵素機能改変による革新的生体触媒の創出と利用
遺伝子解析技術の発展により、様々な天然薬物の生合成遺伝子群と酵素機能が明らかとなっています。次に考えるべきは、いかにこの知見を創薬に利用するかです。私は、立体構造と計算化学、進化工学を組み合わせた超合理的手法による酵素の機能改変技術と生合成酵素のアセンブリーの最適化による生産効率向上を組み合わせることにより、既存の天然薬物を凌駕する生物活性を持つ化合物群の高効率生産系の構築を目指します。

森田 梨津子

塩見(美)パネル

恒常性システムの起源の解明 - 形態形成から恒常性維持へのステージ遷移 -
組織幹細胞を中心とした器官の恒常性を維持する仕組みの基盤は、胎児期に形態形成と共に生み出され、生後に引き継がれると考えられていますが、その過程は十分に理解されていません。本研究では、これまで全く明らかにされてこなかった、幹細胞及び器官の形態形成期から恒常性維持期への転換過程を明らかにし、恒常性システムの起源と創出原理を理解するとともに、その成果を研究・医療分野へ応用するための技術基盤を確立します。

森本 桂子

合田パネル

免疫の役者による脳発生及び機能解明
正常な脳の発生過程においては感染や炎症は認めないにも関わらず、種々の免疫に関連する分子が母から胎盤を通じて子の脳に移行しています。また脳組織においても、これらの分子が産生されていることが明らかになってきました。本研究では、これらの免疫の仕組みにおいて重要な役者が我々の精巧な脳を作り上げる過程にいかに関与し、生涯にわたってどのように脳の機能の維持に関与しているかを明らかにし、将来的には臨床への応用を目指します。

森本 大智

伊丹/福島パネル

生体内の流れによるタンパク質の構造破壊の理解
構造生物学とレオロジーを融合した新規の解析手法レオロジーNMR・MD・SAXS法による協同的な研究体制を確立します。その上で、流体力学的ストレスによるタンパク質の高次構造の破壊を血中から細胞内に至る様々なタンパク質を対象に「その場」かつ原子からメゾスケールで定量的に調べます。構造破壊の規則性や可逆性、線形性を明らかにし、構造破壊の数式化、理論化をおこない、新学理「蛋白質流動学」を構築します。

森本 裕也

伊丹/福島パネル

光変調された電子線と原子・分子・固体の衝突
電子ビームは、微視的な観測から物質加工まで多くの科学・産業技術で使用されています。しかしながら、電子ビームと物質の相互作用、例えば試料の損傷確率や加工効率の制御は困難です。本研究では、電子ビームの時間およびエネルギー構造を、光を用いた独自の方法によってアト秒の超高精度でうまく変調することで、電子ビームと物質の相互作用を制御する新技術を開発し、次世代の顕微鏡法や加工法の創出につなげます。

森本 雄矢

井村パネル

全身性制御を再現可能なミニチュアボディの確立
本研究では、骨格筋や肝臓などの臓器を細胞培養にて再現した各種培養組織の配置、血管構造ネットワークによる接続、筋収縮を含むダイナミックな生体活動の再現、を満たした生体の全身制御性を再現したミニチュアボディの構築方法を確立し、生体の複雑系下での各臓器相互作用の精緻かつ経時的な解析を実現します。さらに、本モデルに病態組織を導入し、病態時の臓器間相互作用や運動によるダイナミックな環境変化の影響を明らかにします。

森山 貴広

北川パネル

反強磁性体によるスピン・テラヘルツ波変換
本研究では、反強磁性体の超高速物性の理解・解明を通して、反強磁性体が次世代テラヘルツ情報技術の主材料となりうることを実証することを目的とし、「スピン⇔テラヘルツ波変換基盤」を創発することを目指します。本研究は、超高速通信や超高速情報処理、情報ストレージ技術、センシング技術に関わるものです。また、本研究を通して、実験的に未知の部分が多い反強磁性体のテラヘルツ物性の学理を構築します。

諸石 寿朗

水島パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

共生と排除が紡ぐ細胞社会の理解と制御
多細胞生物では、性質や機能の異なる様々な細胞が混在し、組織という一つの機能構造体を形成します。このように多様な細胞が混在する細胞社会において、その秩序が保たれる仕組みは大きな謎です。本課題では、細胞間において行われるコミュニケーションを共生と排除という二つの視点から理解することを目標とします。これにより、細胞社会の秩序を保つ仕組みを明らかにし、その変容としてがんなどの病態を捉えることを目指します。

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