A1214社会とつながる・世界とつながる

免許返納前に話しませんか? モビリティの未来に向けて

名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部

9月12日(土)14:00〜15:30 1階オープンスペースA

出展レポート

提起した問い・目指した未来像

高齢ドライバーの免許返納が社会的な関心を集める中、「返納するか、しないか」の二択を前提にせず、その手前で立ち止まって話し合うことを呼びかけた。
運転する力を可視化する運転能力計測システム「ドライビング・ヘルス」のデモ体験を入口に、必要な支援や技術で補いながら運転を続ける可能性を紹介した。さらに問いを「運転」から「移動」へと広げ、「あなたにとって移動とは?」を参加者とともに考えた。自動運転が全国的に普及するにはまだ時間がかかる現実を具体的な数字を示して説明しつつ、喫緊の問題としての運転寿命遠心や、自動運転が普及しても大切な心身機能の維持や社会とのつながりも含めて、誰もが自分らしく移動し続けられる未来を提案した。

参加者との対話から生まれた意見や気づき

導入で「あなたにとって運転とは?」と問いかけると、「生活に欠かせない」「楽しみ・気分転換」と並んで、「怖い」「事故が不安」という声も多く挙がり、運転が必需と楽しみ、不安をあわせもつ営みであることが共有された。
話題提供と体験の後には、家族の免許返納、子どもを送迎する車内での会話、訪問診療を行う医師の体験談など、自身の経験に引き寄せた言葉が数多く出された。また、「適性検査の結果にどこまで強制力を持たせるのか」「地方で基準を変えた場合、ドライバーの責任はどうなるのか」「測定が年齢や性別による差別につながらないか」など、制度や測定のあり方を問い直す意見も寄せられた。

対話を通じて得られた未来へのヒントと今後の展望

対話を通じ、「免許を一律に返納するのではなく、必要な支援を受けて運転を続ける」という考え方への共感が広がった。また、運転だけに注目せず、心身機能の維持や社会とのつながりまで含めて考えることの大切さが確認された。一方で、判定の妥当性や公平性、地方と都市の違いなど、技術だけでは解決できない論点も浮かび上がった。
今後は、参加者から寄せられた問いを研究にフィードバックするとともに、移動を短縮すべきコストとしてではなく、人や地域とつながる豊かな時間として捉え直す視点から、市民と研究者がともに考える対話の場を重ねていきたい。

当日の様子