観る? 行く? 住む? 宇宙との距離、どこまで近づく?
福井大学 宙テクノロジー研究センター
9月12日(土)10:00〜18:00、13日(日) 10:00〜17:00 テレコムセンタービル 5階
出展レポート
提起した問い・目指した未来像
小型人工衛星の活用が進み、月や火星での活動も現実的な研究対象となるなど、私たちと宇宙との距離は少しずつ近づいています。一方で、宇宙はまだ「宇宙飛行士や専門家のためのもの」というイメージもあります。
そこで、「宇宙は、自分たちの暮らしとどのようにつながっているのだろう?」という問いを起点に、来場者に宇宙をより身近なものとして感じてもらうことを目指しました。
展示では、「観る? 行く? 住む?」を切り口に、人工衛星による地球観測、宇宙飛行士の健康、月・火星などでの暮らしに関わる研究を紹介しました。それぞれの研究者が「宇宙で何をしたいのか」を伝えるとともに、来場者自身にも「宇宙に行ってみたい?」「宇宙から地球を見てみたい?」「宇宙で暮らすとしたら?」と想像してもらい、自分なら宇宙とどのように関わりたいかを考える機会としました。
宇宙を「遠い未来の話」ではなく、自分たちの暮らしや未来とつながるテーマとして捉え、科学技術の進展とともに、私たちはどのような未来をつくっていきたいのかを考える場を目指しました。
参加者との対話から生まれた意見や気づき
小型人工衛星のパートでは、実物のCubeSat(1U CubeSat 10cm立方体)を初めて見たという来場者も多く、「人工衛星ってこんなに小さいの?」という驚きの声が多く聞かれました。人工衛星という言葉から、大型の衛星をイメージしている人も少なくなく、実際の衛星を見てもらうことで、宇宙利用がこれまでより身近に感じられることが分かりました。
また、火星などでの暮らしを想定した技術として、水を使わない染色技術や、省エネルギーで植物を育てる技術を体験してもらいました。単に技術を紹介するのではなく、「なぜ火星ではこのような技術が必要なのか?」を考えてもらうことで、火星の環境や資源の制約から技術を捉えてもらえることが印象的でした。宇宙を入口として、地球上の暮らしや資源の使い方について考えるきっかけにもなりました。
さらに、宇宙飛行士が地球へ帰還した際の「ふらつき」に関する研究紹介では、子どもから大人まで多くの方が興味を持って参加しました。宇宙での身体の変化を調べる研究が、将来的には地上での転倒予防や健康維持にもつながる可能性があることに、「宇宙の研究が地上の生活にも役立つのか」という驚きの声もありました。
これらの対話を通して、宇宙を「遠い場所」として紹介するのではなく、具体的な技術や身体の変化、実物の人工衛星などを入口にすることで、「宇宙と自分の暮らしとのつながり」を実感してもらえることが分かりました。
対話を通じて得られた未来へのヒントと今後の展望
今回の対話を通じて、来場者が特に強く反応したのは、「人工衛星は思っていたより小さい」「宇宙の研究が地上の暮らしにもつながっている」といった、宇宙に対するイメージが変わる瞬間でした。
今後も本学では、人工衛星の開発をはじめ、宇宙観測、宇宙医学、宇宙での資源循環や植物生産など、さまざまな研究を進めていきます。その際、研究成果を一方的に伝えるだけでなく、今回の出展で得られた「市民の驚き」や「もっと知りたい」という反応を手がかりとして、研究者と市民が対話できるアウトリーチ活動を継続していきたいと考えています。
また、今後は本学が実際に人工衛星の開発・打上げに関わっていることを知ってもらい、「自分たちの地域でつくられる人工衛星を応援したい」「打上げ後、宇宙で何をしているのか見てみたい」と思ってもらえるような、継続的な関わりの仕組みづくりにも取り組みたいと考えています。
宇宙を「遠い世界」として眺めるのではなく、一人ひとりが自分とのつながりを見つけ、未来の宇宙や地球のあり方について考えられる機会を、これからもつくっていきます。
当日の様子