511未来の技術でくらしが変わる

カーボンナノチューブで次世代検査の眼を創ろう!

中央大学 電気電子情報通信工学科

9月12日(土)10:00〜18:00、13日(日) 10:00〜17:00 テレコムセンタービル 5階

出展レポート

提起した問い・目指した未来像

本展示では,モノに触れず壊さず内部品質が評価可能な非破壊検査を紹介致しました.カーボンナノチューブ(CNT)というフィルムシートを透視カメラの材料として活用し,所望の形状・箇所へコンパクトに実装可能な非破壊検査技術となっております.社会課題の解決に向けた具体的出口戦略には送電線検査と水道管検査を2本柱として掲げ,想定している来場者:中学生・高校生への展示および対話を通じて,社会インフラが一斉に老朽化を迎え始めている日本における非破壊検査技術の在り方を議論していきました.また出展者独自のシールの様に貼れるCNT透視カメラを対象に,AI・DXネイティブな中高生が将来的に社会基盤点検として如何にCNT透視カメラの材料・デバイス特性を引き出すことができるか,またどの様なケーススタディに応用可能か,次世代の非破壊検査像を描き出していきます.具体的な展示内容といたしましては,既存検査技術に対して出展者の独自技術が有する優位性をプレゼンし,また実際にCNT透視カメラを紹介致しました.これらのみでなくCNT透視カメラ作製の実演,CNT透視カメラによる検査の実演,また来場者自身が検査対象となるヘルスケア計測もランキング形式で実施致しました.

参加者との対話から生まれた意見や気づき

イベント当日は総勢500名超もの方々にご来場いただき,ランキング形式の体験実験ではお子様方を中心に総勢250名超ものご参加をいただきました.これまでも科学技術展示会などでの出典ではCNT透視カメラ作製の実演,CNT透視カメラによる検査の実演,また来場者自身が検査対象となるヘルスケア計測を行っておりましたが,実験結果が明確に数値化され,なおかつ実験数値が体験者の体調に依存する「ヘルスケア計測」をランキング形式にした取り組みは,大きな収穫と感じております.サイエンスアゴラの性質を踏まえ,幼稚園生・小学生・中学生・高校生をメインターゲットと想定し,ランキング形式で競争意識を持ってもらうことで,結果的に多くのお客様に恵まれました.集客に繋がったことだけではなく,私達が最大の狙いとしていた「非破壊検査への理解」「CNTの魅力」を体験実験において肌で感じてもらうことができ,大学での研究を社会へアウトプットするモデルケースが確立されたと感じております.

対話を通じて得られた未来へのヒントと今後の展望

本展示では「CNTに指を近付けることで体温由来な信号が音色へ変換される」というヘルスケア体験を行いましたが,展示内容には左記体験から派生した「CNT製の鍵盤20枚で構成された“触らなくても指を近付けるだけで曲を演奏できるピアノ”」も含まれておりました.“触らなくても指を近付けるだけで曲を演奏できるピアノ”は私達にとっても初展示となりまして,CNTセンサがバリアフリー応用にも可能性を秘めているという気付きへ繋がりました.来場者,特にピアノを習っているお子様からも,「目が不自由な人のピアノ体験,そして指を怪我したピアニストのリハビリにも使えそう」といったポジティブな反応を貰うことが出来ましたので,これまでの材料研究・CNT加工・非破壊検査・ヘルスケアという方向性の裾野を拡げてバリアフリー領域にも挑戦していきます.

当日の様子