509未来の技術でくらしが変わる

驚きの磁石の世界 from「まてりある's eye」

NIMS(物質・材料研究機構)

9月12日(土)10:00〜18:00、13日(日) 10:00〜17:00 テレコムセンタービル 5階

出展レポート

提起した問い・目指した未来像

私たちが今回投げかけたのは、「身近な材料について、私たちは本当に知っているだろうか?」という問いです。
参加者にとって身近な「磁石」を題材に、強力な磁石でも熱によって弱くなることや、普段は磁石につかないと思われている物質も強力な磁場には反応することなど、日常ではあまり意識することのない性質や現象を、実験を通して体験してもらいました。
さらに、ブースの最後に「身の回りのもので、『実はよく知らないかも』と思った材料は?」という質問ボードを設置し、参加者自身にも身近な材料について考えてもらいました。そこでは、プラスチックや炭素、アルミニウム箔など、普段何気なく使っているさまざまな材料について疑問が寄せられました。
当たり前だと思っている身の回りのものに「なぜだろう」と疑問を持つことは、好奇心の始まりであり、科学の入口でもあります。磁石をきっかけに「知っているつもり」を問い直し、科学の面白さを感じてもらうこと。その中で、NIMSが専門とする物質・材料科学にも興味を持ち、特に若い世代が将来、科学や材料科学をともに盛り上げてくれる―そんな未来を目指しました。

参加者との対話から生まれた意見や気づき

参加者との対話を通じて印象的だったのは、ひとつの「知らなかった」という驚きが、次の「なぜだろう」「もっと知りたい」へとつながっていったことです。
磁石が熱によって弱くなる様子や、普段は磁石につかないと思われている物質が強力な磁場に反応する様子を目の前で見ると、「どうしてそうなるのか」「ほかのものではどうなのか」と、さらに知ろうとする反応が多く見られました。さらに質問ボードには、プラスチックや炭素、アルミニウム箔など、磁石以外の身近な材料についても多くの疑問が寄せられました。ひとつの材料への驚きが、身の回りの別の材料へと関心を広げるきっかけになることも見えてきました。
一方で、「強力な磁石はどう捨てればよいのか」「割れたときは危険ではないのか」といった、暮らしの中で感じていた疑問も寄せられました。私たちは磁石の「性質」に注目して企画しましたが、使い方や安全性、捨て方といった生活に直結する疑問も、材料そのものに目を向けてもらう大切な入口になることに気づきました。
そしてあらためて感じたのは、「知らなかった」という驚きを印象に残すうえで、実験や実演による体験が大きな力を持つことです。一度会場を回った後に、もう一度ブースを訪れて実験を見る子どもの姿は、そのことを象徴する出来事でした。パネルや映像で伝えるだけでなく、実際の現象を目の前で見て、自分でも確かめることが好奇心を深める力を持つことをあらためて実感しました。

対話を通じて得られた未来へのヒントと今後の展望

今回の対話を通じて、材料科学への好奇心を引き出す入口は、私たちが考えていた以上に多様であることに気づきました。材料の意外な「性質」を見せるだけでなく、使い方や安全性、捨て方といった暮らしの中の疑問も、材料そのものに目を向けてもらうきっかけになります。また、ひとつの材料への驚きから、身の回りの別の材料へと関心が広がっていくことも分かりました。
さらに、「知らなかった」を「もっと知りたい」につなげるためには、知識として伝えるだけでなく、実際の現象を目の前で見て、自分でも確かめる"体験"が大きな力を持つことをあらためて実感しました。
今後も、こうした暮らしの中にある素朴な疑問や、驚きを伴う体験を大切にしながら、実験や対話の場、NIMSのYouTubeチャンネル「まてりある's eye」などを通じて、身近なところにある科学や材料の面白さに気づくきっかけをつくっていきたいと考えています。
身の回りの小さな「なぜ?」から科学を楽しむ人が増え、その中から材料科学に興味を持ち、将来ともに科学や材料科学を盛り上げてくれる人が生まれていく。今回得られた気づきを、そんな未来につなげていきたいと思います。

当日の様子