発電実証、"Q-DEMO"でどうでしょう?
QST 量子エネルギー研究分野
9月12日(土)10:00〜18:00、13日(日) 10:00〜17:00 テレコムセンタービル 5階
出展レポート
提起した問い・目指した未来像
本企画では、「2030年代の発電実証を目指すフュージョンエネルギーは、社会にどのように受け入れられるべきか」「将来、自分のまちにフュージョン発電所ができるとしたら、どのような期待や不安を感じるか」を来場者とともに考える問いとして設定した。
QSTでは、フュージョンエネルギーの早期実現に向けて研究開発を進めており、原型炉「Q-DEMO」の概念設計が完了している。しかし、フュージョンエネルギーの実現には技術開発だけでなく、社会からの理解と受容が欠かせない。そこで本企画では、研究者と来場者が双方向に対話しながら、未来のエネルギーと暮らしのあり方について考える場を提供することを目指した。
また、フュージョンエネルギーを「遠い未来の研究」ではなく、「自分たちの生活に関わる技術」として捉えてもらい、エネルギー問題や持続可能な社会について主体的に考える機会を創出することを目指した。
参加者との対話から生まれた意見や気づき
来場者との対話では、大学生や高校生を中心に幅広い年代の方々から多くの意見が寄せられた。
まず、「フュージョンエネルギー(核融合)」という言葉自体は聞いたことがあるものの、その仕組みや現在の研究開発状況については十分知られていない参加者が多かった。一方で、太陽で起きている反応との共通性や模型を用いた説明を通じて理解が深まると、技術への関心が大きく高まる様子が見られた。また、「再生可能エネルギーだけでは将来の電力需要を賄えないのではないか」「安定した電源として期待できるのではないか」といった期待の声が多く聞かれた。一方で「安全性は問題ないのか」「建設コストや社会的受容性は課題ではないか」といった率直な疑問も寄せられた。
これらの対話を通じ、社会実装に向けては技術的な完成度だけでなく、「わかりやすく伝えること」や「市民との継続的な対話」が重要であることを認識した。
対話を通じて得られた未来へのヒントと今後の展望
本企画を通じて、フュージョンエネルギーに対する社会の期待は大きい一方で、研究開発の現状や安全性に関する情報が十分に伝わっていないことが分かった。参加者との対話からは、専門的な説明を一方的に行うのではなく、身近な暮らしや将来の社会との関わりの中でフュージョンエネルギーを語ることが理解促進につながるという示唆を得た。また、模型や可視化された展示物は、複雑な技術を直感的に理解してもらううえで有効であることが確認できた。
今後は、研究成果の発信だけでなく、市民との継続的なコミュニケーションの場を設け、多様な価値観や懸念を研究開発に反映できる仕組みづくりが重要であると考える。今回得られた意見や気づきを今後の広報活動や対話活動に活かしながら、社会とともにフュージョンエネルギーの未来像を考え続けていきたい。
当日の様子