504地球・環境・未来を守る

CO₂から価値を生み出す 人工光合成がひらく未来

主催:環境省 協力:日本科学未来館

9月12日(土)10:00〜18:00、13日(日) 10:00〜17:00 テレコムセンタービル 5階

出展レポート

提起した問い・目指した未来像

本展示では、「太陽の光を使ってエネルギーや資源をつくる未来は実現できるのだろうか?」という問いを来場者の皆さんと共有しました。パネルや模型、実際の光触媒を用いた水分解装置、人工光合成が目指す仕組みや研究開発の現状をわかりやすく紹介しました。人工光合成は、植物の光合成をヒントに太陽光と水、二酸化炭素から水素などのエネルギーや化学品を生み出そうとする技術であり、地球温暖化対策や持続可能な社会の実現への貢献が期待されています。本展示では、研究室の中だけで進められている技術ではなく、将来のエネルギーや産業、私たちの暮らしにも関わる可能性のある技術であることを伝えることを目指しました。また、未来を担う子どもたちや若い世代に、科学技術が社会課題の解決につながることを感じてもらい、未来への想像を広げてもらう機会となることを期待しました。

参加者との対話から生まれた意見や気づき

展示ブースでは、小学生から高校生、保護者、一般来場者まで幅広い方々と対話を行いました。来場者からは、「人工光合成という言葉を初めて知った」「植物の光合成をまねる技術だと理解できた」といった声が多く聞かれました。特に、模型や、実物の光触媒により水素や酸素が発生している様子を見ながら説明することで、難しい研究内容であっても理解しやすくなることがわかりました。また、「本当に太陽光だけでエネルギーが作れるのか」「既存技術との違いはどんなものがあるのか」「実用化までどのくらいかかるのか」といった質問も多く、未来の技術に対する期待と関心の高さが感じられました。また、来場者からの意見や疑問を付箋に記載してもらい、展示パネル上に掲示したことで、他の来場者の着眼点等を共有し合うこともできました。一方で、専門用語が多いと理解が難しくなる場面もあり、より身近な例えや実演を取り入れる重要性も再認識しました。来場者との対話を通じて、研究成果をわかりやすく社会に伝えること自体が、研究開発を進めるうえで大切な取組であることを改めて実感しました。

対話を通じて得られた未来へのヒントと今後の展望

今回の展示を通じて、最先端の科学技術であっても、実物や模型を活用しながら丁寧に説明することで、多くの方が興味を持ち、自分自身の問題として考えてくれることがわかりました。特に若い世代からは、「研究者になりたい」「もっと詳しく知りたい」といった声も聞かれ、科学技術への関心を高める良い機会となりました。また、来場者からの質問や意見は、研究者や行政にとっても、社会がどのような技術に期待し、どのような不安や疑問を持っているのかを知る貴重な機会となりました。今後は、実験体験やデモンストレーションなど参加型の展示を充実させることで、より深い理解と対話を促進したいと考えています。こうした取組を継続することで、人工光合成への理解を広げるとともに、脱炭素社会の実現に向けて多くの人々が主体的に関わる未来につなげていきたいと考えています。

当日の様子