宇宙輸送でひらく未来社会
宇宙輸送系タスクフォース(JSASS・JRS)
9月12日(土)10:00〜18:00、13日(日) 10:00〜17:00 テレコムセンタービル 5階
出展レポート
提起した問い・目指した未来像
日本航空宇宙学会・日本ロケット協会の宇宙輸送系TFが提案する「人類のフロンティア拡大を牽引するシームレスな宇宙輸送ネットワーク」の考え方を、市民・次世代・産業界・政策関係者と共有し、宇宙輸送を“遠いロケット技術”ではなく、移動・物流・安全・環境・法制度・地域産業に関わる未来社会の基盤として考える対話型展示です。パネル、模型、カード型ワークを用いて「何のために宇宙へ行くのか」「誰が使える宇宙輸送であるべきか」「安全・費用・環境・ルールをどう両立するか」を来場者と議論します。特に、宇宙港、軌道上ロジスティクス、再使用・高頻度輸送、月惑星探査などを、災害対応・資源・エネルギー・教育・地域産業など身近な社会課題と結び付け、来場者が自分の言葉で未来像を描ける場をつくります。単に夢を語るのではなく、実現に必要な技術や制度、人材育成、社会的合意にも触れます。専門家が答えを示すのではなく、来場者の期待や不安を出発点に、研究・社会実装・ルール形成を共に考えることで、出展者は、そこで得られた価値判断や問いを今後の学術構想の具体化と社会との共創に活かします。
参加者との対話から生まれた意見や気づき
準備段階では、3大学の学生がオンラインで打合せを重ね、展示内容や役割分担、必要な備品、搬入方法などを調整しました。異なる大学・研究室の学生が一つの企画に取り組み、来場者と直接対話する経験は、研究内容を社会に伝えることの難しさと面白さを考える機会にもなりました。展示では、宇宙を「自分のこと」として考えてもらうため、「宇宙に行きたい?」というシールアンケート、その理由を書く付箋企画、宇宙輸送に関するクイズ、未来のロケットの構想例として「CRAFT」模型などを用意しました。見るだけではなく、選ぶ、考える、書く、話すといった参加型の展示とすることで、予備知識の有無にかかわらず、それぞれの関心から参加していただけるよう工夫しました。
対話を通じて得られた未来へのヒントと今後の展望
シールアンケートでは、「絶対行きたい!」から「絶対行きたくない!」まで、自分の気持ちに近い位置にシールを貼っていただきました。さらに、その理由を付箋に書いてもらうと、「宇宙から地球を見たい」「無重力を体験したい」「星や月を見たい」など、さまざまな声が寄せられました。回答そのものだけでなく、なぜそう思うのかを言葉にし、他の人の考えにも触れてもらうことを大切にしました。クイズや展示の説明は学生が担当しました。初日は小学生の親子連れが多く、準備した問題が難しく感じられる場面もあったため、来場者の反応を踏まえて小学生向けの2択クイズを新たに作成し、翌日の運営に反映しました。専門的な内容を相手に合わせて伝えることも、今回の展示の重要な要素となりました。宇宙輸送の将来を考えるうえでは、技術を発展させるだけでなく、その可能性や課題を社会に伝え、さまざまな立場の人々と対話を重ねることも重要です。今回の経験を、今後の宇宙輸送に関する対話・発信活動に生かしていきたいと考えています。
当日の様子