325社会とつながる・世界とつながる

小学生が探究する循環型スポーツの未来 ~テニス~

未来を拓くTH 陳 天惠

9月12日(土)10:00〜18:00、13日(日) 10:00〜17:00 テレコムセンタービル 3階

出展レポート

提起した問い・目指した未来像

もっと多くの人にテニスを楽しんで、長く続けてもらいたいと思い、小学5年生の1年間を通して「テニスは人々を幸せにできるのか」「テニスについて、どうしたら楽しくできるか」をテーマに探究してきた。
その中で、まだ使えそうなテニスボールが試合や練習のために新しいボールへ交換されていることに気づき、
◇まだ使えそうなのに、なぜ捨てられる?
◇使ったボールの行方は?
◇なぜリサイクルが難しい? など疑問を持った。
そこで、サイエンスアゴラ2026の来場者の方に「テニスを楽しむこと」と「環境を大切にすること」は両立できるのか?と問いかけた。
→「ポスター+インタビュー動画で探究内容を紹介」→「使用済みテニスボールを使った椅子脚のカバー・防音・滑り止め体験」」→「はいきしたテニスボールを使ったワークショップ」+「来場者と対話」+「アンケート」体験型の展示・対話を通じて、来場者に年間テニスボールの使用量やリサイクルの現状及び環境に対しての影響を知ってもらった。また、いろいろな人と話すことで、自分では考えていなかった意見や新しい考え方を知ることで、探究を続け、テニスを「楽しむこと」と「環境を大切にすること」の両方ができる「循環型スポーツの未来」を目指した。

参加者との対話から生まれた意見や気づき

2日間で200名以上の方がブースに来て下さり、そのうち109名が「テニスボールの未来を考えるワークショップ」に参加してくれた。子どもだけでなく、大人の方も参加、たくさんの意見やアイデアを聞くことができた。
■「1年間でこんなにたくさんのテニスボールが使われているとは知らなかった」「使い終わった後のことを考えたことがなかった」という声があった。自分の発表をきっかけに、テニスボールの環境問題について考えてもらえたことがうれしかった。
■「使用済みのゴルフボールの処理にも困っている」「サッカーや、野球、ボウリングなどはどうしているの?」という質問もあった。テニスボールだけではなく、いろいろなスポーツ用品についても、使い終わった後のことを考える必要があると思った。
■テニスボールの使い道について、私が知らなかったアイデアもたくさん教えてもらった(足裏のマッサージ、植木鉢、コップ、ペットのおもちゃ、プールに入れて水面の油分を取るなど)。また、都内のある小学校では、数年前から使用済みテニスボールを教室の椅子の脚に取り付けているという話も聞いた。「自分の学校でもやってみたい」という先生もいた。実際に学校で続けている例を知り、身近なところからできることがあると分かった。ほかにも「空気を入れ直したテニスボールを安く販売したり、テニススクールで練習用に使ったりできないか」「テニスボールのリサイクルの着眼点が面白い」など意見があった。
■テニスボールを入れる容器について、「プラスチックではなく、少し高くても紙の容器を使った方が環境に優しいのではないか」という意見もあった。ボールだけでなく、容器など周りのものについても環境を考えることが大切、一つの方法だけではなく、いろいろな方法を組み合わせることが大切だと思った。

対話を通じて得られた未来へのヒントと今後の展望

昨年、初めてサイエンスアゴラ2025を見学した時、出展者の方といろいろな話をして、とても楽しく学ぶことができた。その経験から、「自分もこの舞台で、自分が探究してきたことを社会に発信したい」と強く思った。学校で学んだ知識(探究授業・毎年の校内発表会・ICTを使った調査や資料作成など)を生かし、調査→資料作成→出展計画→応募→準備、今回の出展を無事に終えることができた。当日、JSTの方を始め、学校の先生や友達、様々な来場者と話すことができて、とても勉強になった。
■得られた未来へのヒント
出展後、さらに調べてみたい新しい疑問が生まれた。特に、「無限(再生)ボール」や海外で使われている「TRINITIエコーボール+紙容器」について調べてみたいと思った。海外で行われている仕組みを日本国内で活用できないかと考えている。環境意識を高めるには使用者、メーカー、テニススクール、テニス大会主催者、政府など社会全体で仕組みを作らないと難しいと思う。
■今後の展望
「テニスボールの寿命を延ばして長く使う → 再利用→ リサイクル → エコーボールをつくる」という流れを実現できる仕組みを考えてみたい。将来はAIを使ってボール中のゴムとフェルトを分離し、再利用する方法や、ゴム中の不純物をなくす薬品の開発など夢のようなアイディアについても考えてみたい。
今回の経験を生かして、次回はワークショップに参加する方が、より多く、スムーズに体験できるように工夫したい。大好きな「テニスを楽しむこと」と「環境を大切にすること」が両立できる未来を目指して、これからも探究を続けていきたい。

当日の様子