318社会とつながる・世界とつながる

科学の休憩場:みんなで語る未来

日本科学振興協会(JAAS)

9月12日(土)10:00〜18:00、13日(日) 10:00〜17:00 テレコムセンタービル 3階

出展レポート

提起した問い・目指した未来像

日本科学振興協会の科学の休憩場の企画では、「これからの科学を、立場や世代を越えて、みんなでどのようにつくり、支えていけばよいのか」という問いを提起させていただきました。そこで、科研費、博士人材、理系・文系のイメージから来る高校生の進路選択、AIとの付き合い方、学生の研究アイデア、日本の磁石の最新研究を入口に、来場者が科学の未来を自分自身に関わる問題として知っていただき、そして考え、語り合う場をつくりました。目指したのは、研究者、学生、企業、行政、市民の声が互いに届き(知り)、それぞれの期待や不安、アイデアが、研究環境や人材育成、科学技術と社会のよりよい関係づくりに生かされる未来です。誰もが対話を通じて一緒につくっていけるものにすることを目指しました。また作り手としては、サイエンスコミュニケーションを体感したことがないスタッフさんにいっぱい参加していただき、一般の方と科学の説明をしたことない研究者や企業の方に登壇していただいたりして、サイエンスコミュニケーションを広めることも隠し目標としました。参加者層は一般の方々だけでなく、高校生、大学生もより多く来てくれるようにコンテンツ作りを目指しました。

参加者との対話から生まれた意見や気づき

科研費ダーツや、それぞれの項目で、みんなの声を集めてそれ自体を見える化することで知っていただき、スタッフさんと対話をさせていただきました。科研費ダーツは、研究者が1年に1回、科研費申請書を書いて、外れた時の悲しい、採択に難しいな~を体験してもらうコンテンツとして作りました。研究者は、ニュースでもいっぱい取り上げられてるので、知っていると思いきや・・一般の人と対話で、科研費を知らない人がかなり多い事がわかりました。たしかに科研費を一般の人に知ってもらうコンテンツはあまりないですよね。ということをまず、知る事になりました。科研費の事を知り、お客様は、大変そうですね。なるほどと、ということは・・一般の人が科研費に興味を持ち、自ら聞いていただけたのはうれしいかったです。また、探究学習、文理選択、AI、博士人材といったテーマには、期待と不安の両方があり、年齢や立場によって見え方が異なります。ボイスウォールに意見を残し、それをミニセッションで取り上げることで、個人の声が次の対話を生み、異なる考えを知るきっかけになりました。1例を言うと、探究では、高校生や大学生からの視点から、もっと探究をしたかったが、教員が協力的ではなかった体験談など、もっと探究をしたい、大切との意見、一方で、大学の先生からは、探究公害という言葉もでるくらいなので、負担などの意見も出たり、そこからサポート、支援団体も今は誕生してきているなど、いろんな情報が行き来できました。

対話を通じて得られた未来へのヒントと今後の展望

今回の対話を通じて、科学への関心を広げるためには、正しい知識を一方向に伝えるだけでなく、参加者の疑問や不安を受け止め、ともに問いを深めていく場が必要だと改めて感じました。また、参加者の興味を喚起する工夫の重要性も実感しました。遊びや体験を取り入れたり、付箋で気軽に意見を表明できるようにしたりするなど、参加へのハードルを下げることは、多様な人々の声を引き出すうえで有効でした。実際に、1日目の反応を踏まえ、2日目には展示物の配置や見せ方を大幅に変更しました。その結果、ブースに目を留めて立ち寄る方が増え、スタッフとの対話も生まれやすくなりました。展示の仕方そのものが、参加者の興味を引き、対話への入り口をつくる大切な要素であることを、身をもって学びました。磁石の研究をはじめ、話す人の多くは、はじめて一般の方にお話しする研究者さんが多かったので、研究者にとっても大変重要な気づきを得られ、サイエンスコミュニケーション的に、次はこのようにした方がいいなという声も生まれたり、まさしく未来につながる、サイエンスアゴラ的な成果だと感じました。
今後は、今回集まった声を整理して発信するとともに、探究活動への支援、理系人材の裾野の拡大、博士人材の活躍促進、AIとの望ましい付き合い方など、それぞれの活動や政策につなげていきます。今回限りの対話で終わらせることなく、参加者の声が次の実践を生み、さらに新たな対話へとつながる循環をつくっていきたいと考えています。

当日の様子