人も動物も健康に暮らせる社会を目指して
2020年12月14日
- 主催:
獣医師/東京大学大学院医学系研究科社会医学専攻博士課程 金森万里子氏
解くべき課題
◆農村地域の健康問題、とくに心の健康
◆都市-農村の健康格差
◆助けを求めづらい雰囲気の社会における自殺予防
◆人と動物の共生
取組のポイント
◆人も動物も健康で幸せに暮らせる社会を目指す
・人や動物、生態系の健康や福祉には共通の社会背景が関わっている。
◆国内外の農村地域の自殺の社会的決定要因(Social Determinants of Health)を解明
◆データ解析と並行して、主に酪農業界で働く女性とともに、講演会やワークショップを実施
取組内容
◆公衆衛生学・社会疫学の観点から、「健康の社会的決定要因」にアプローチし健康格差の縮小を目指すための基礎となるエビデンスを提供
・所得や教育環境、つながりの豊かさ、治安や交通などの生活環境などの社会的要因が、個人の健康に大きく影響する。
・人と動物の共生のあり方を模索するうえで欠かせない。
◆酪農や畜産が盛んな地域で自殺率が高い傾向を明らかに
・酪農や畜産が盛んな地域における、過去25年間の男女自殺率の高さに関するエビデンスの提供。(Kanamori and Kondo, 2019)
◆乳児死亡率に職業間格差があることを明らかに
・大企業などで働く世帯に比べ、農家世帯(約2倍、無職の世帯は6.5倍)は乳児死亡率が高いことのエビデンスの提供。(Kanamori, Kondo and Nakamura, 2020)
◆出身国別の都市-農村の自殺率格差を明らかに(ストックホルム大学との共同研究)
・スウェーデン全国民のデータを分析。その結果、海外出身者は特に、都市・農村の自殺率格差が大きいというエビデンスを提供。(Kanamori et al., 2020)
◆主に酪農業界で働く女性とともに、講演会やワークショップを実施
・生き心地のよい地域づくりについて一緒に考えると同時に、地域の現状や悩みについて知ることで、研究の着想や分析結果の解釈に役立てる。
シナリオの関係者
NPO法人ETIC.
シナリオの出どころ
議論の参加者
京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻国際保健学講座社会疫学分野 主任教授 近藤尚己氏
ストックホルム大学、オホーツク地域の酪農女性グループ