ビッグデータを活用しスマート農業の普及を目指す
2020年08月25日
- 主催:
東京大学大学院 農学生命科学研究科特任教授 二宮正士氏
解くべき課題
◆農業データのデジタル化
◆蓄積データの活用方法の開発
◆狭い農地が点在する日本に適したスマート農業の確立
取組のポイント
二宮正士・東大特任教授は、世界に先駆けて農業にITを導入し、2018年に日本農学賞/読売農学賞を受賞するなど、農業分野における情報研究の第一人者である。
◆日本の近代農業研究150年分のデータをデジタル化
・デジタル解析に使えるような農業データが残されるようになったのは20~30年前から。
◆デジタル化したデータを育種や栽培品種の選択などに活用
・育種や土地にあった品種の選択を効率よくシミュレーションできるモデルの開発を目指す。
◆ITの活用で、それぞれの農地の条件に合わせたオーダーメイド農業を展開
・一つ一つの農地面積が狭く分散している日本に最も適したスマート農業を模索する。
取組内容
◆手書きで残されている150年前からの農業関連文書をデジタル化
・アメリカのUSDA(米農務省)は、100年分のデータをデジタルで蓄積しつつある。
・タイプライターで作成された文書をOCR(光学的文字認識)で容易に読み取ることができるアメリカと違い、長い間、手書きで報告書類を作成してきた日本では、デジタル化は容易ではない。
・近代農業研究150年分の膨大なデータには、現代の農業にも有用な知識が埋もれているかもしれないため、デジタル化は非常に重要な作業である。
◆デジタルデータは作物の収量などを予測する精度の高いモデル開発に活用
・遺伝子情報(古い種)と環境情報(過去の栽培記録、気温、雨量)から、収量などを予測するモデルを開発できる。
・品種改良を効率化できる。
・土地にあった栽培品種をシミュレーションで判断できる。
◆ITを活用してオーダーメイドの農業経営を目指す
・農地面積が小さく分散している日本では、ITの活用で大量生産と同効果が期待でき、各農地の条件に合った農業が展開できる。
・データをデジタル化することで、気象の不確実性や地域特性に対して、臨機応変に適応した大胆なスマート農業が展開できる。
・日本の農業と類似した条件を持ち経済発展が著しい他のアジア諸国やアフリカにも事業を展開できる可能性がある。
シナリオの関係者
株式会社オプティム