山形で取り組むICTを活用した「スマート農業」の実践
2020年08月25日
- 主催:
片平光彦氏
山形大学 農学部 食料生命環境学科 教授。地域密着型農業に関する研究を推進
解くべき課題
◆人手不足とさらなる生産力の向上
◆地域農業の省力化・効率化
◆熟練技術の継承の困難さ
取組のポイント
◆稲の生育調査を担う、各種センサーとカメラを搭載した探査ロボットの開発
・農学部が開発した探査ロボットが水田の上を走行し、稲の草丈や水位、水温、田面の均平(稲を栽培する地面の高低差を解消すること)などを調査。
◆AIによる画像解析を活用し、養鶏の作業効率化を図る
・養鶏場の様子を撮影し、AIによる画像解析から鶏の生育状況や体重、給餌の状態などを把握するシステム開発を目指す。
◆ICTを駆使して営農をサポートし、ベテランの知識や経験に頼らない環境づくりを行う
・ベテランの知識や経験を情報化することで、新しく農業に携わる人材へ技術を継承する。
取組内容
◆水田を走行して稲の生育調査を行う探査ロボットを開発
・探査ロボットが水田を走行して水を濁らせることで雑草を抑止。
・走行中は稲の草丈と水位、水温、田面の均平などの調査を実施。
・位置情報の精度が高く数cm単位で走行でき、バッテリーが1日持つため夜間作業も可能。
・ドローン用の市販のフライトコントローラーで操縦し、製造コストは安い。
・将来は必要な箇所にピンポイントで除草や施肥、農薬散布を行えるようになるかもしれない。
◆養鶏のための「農業ICTツール」を研究
・AIによる画像解析を通して、鶏の生育状態、給餌の状況などを判別できないかと考え、体重から判定するシステムを検討、自動的に把握するシステム開発を目指す。
・畜産は技術習得が稲や野菜といった耕種農業と比べて難しいため、人材の経験不足をAIや情報化ツールでカバーする。
◆ベテランの知識や経験に頼らない環境づくり
・技術を指導する人の減少をAIを使った営農のサポートで補う。
・10人に対して10年分の知識を1年で引き継げる仕組み作りを考える。
シナリオの関係者
株式会社オプティム
山形県三川町農業法人まいすたぁ