JST 国立研究開発法人 科学技術振興機構

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SCENARIO 社会課題の解決を目指して

「スマート農業をキーにした地域活性化」に挑む北海道岩見沢市

2020年08月25日

シナリオを実現する

  • 主催:

    野口伸氏
    北海道大学教授。専門は農業情報工学、農業ロボット工学。

解くべき課題

◆就農人口の減少と高齢化
◆後継者不足による「労働力の不足」
◆農業ロボットを活用したスマート農業による地域社会課題の解決

取組のポイント

◆「スマート農業」をキーにした地域活性化プロジェクトの実現
・最先端の農業ロボット技術と情報通信技術を活用し、北海道岩見沢市で世界トップレベルのスマート農業を実現し、サステイナブルな「スマートアグリシティ」へと発展させる。
◆岩見沢市で取り組む大規模な実証実験とロボット農機の開発
・高度なスマート農業の実現に向け、3つの実証実験とロボット農機の開発を通してさらなる技術向上を図る。
◆中山間地の生産者に目を向けた「小型スマート農業ロボット」の開発
・大規模農業だけでなく、小規模・中山間地の生産者に役立つ、日本独自の小型ロボット農機の開発に着手。
◆既存技術を有効活用にすることを目的としたロボット農機「果樹作業用ロボットビーグル」の開発
・トヨタのハイブリッド自動車「プリウス」の中古車のパーツを果樹園用ロボットビーグルに改造し、実用性の高いロボット農機として生まれ変わらせる。

取組内容

◆スマート農業の実現のため、岩見沢市で取り組む大規模な3つの実証実験
・1番目は、ロボット農機の完全自動走行に向けた「高精度測位・位置情報配信方式の検討」。全球測位衛星システム、電子基準点に加えて、精度の高い測位情報を提供するNTTの最新技術や新たな方式を含めて検討・検証を行う。
・2番目は、「次世代地域ネットワーク」の構築。第5世代移動通信方式(5G)や岩見沢市で現在整備中のBWAなどの最新技術を組み合わせ、信頼性の高いネットワーク構築を目指す。
・3番目は、「高度情報処理技術およびAI基盤」。自動運転農機等から収集されたデータ(生育・収量・品質・流通・消費者等)を分析して農作業の最適化を図るため、地域AIプラットフォームの検討を行う。
◆地域農業で役立つロボット農機の開発
・小規模・中山間地での使用をイメージした、日本独自の小型ロボット農機の開発。
・中山間地の小規模生産者が実際に買える価格の実現や、24時間の使用が可能で複数台の協調作業ができる仕様を目指す。
◆自律走行機能と精密農作業機能を有する「果樹園用ロボットビークル」の開発
・トヨタのハイブリッド自動車「プリウス」の中古車のパーツを使用。
・搭載する2つのモーターを走行用、作業用としてそれぞれリユースし、実用性の高いロボットビークルとして生まれ変わらせることが可能。
◆地域社会の課題解決
・初期段階として大規模生産者に向けたスマート農業の普及を実現。岩見沢市をスマート農業で地域活性化のモデルケースに発展させ、培った経験と知識を他地域にも展開。
・現在はロボット用作業機が数多く実用化されており、施肥、播種、防除、除草、収穫といった、あらゆるステージでロボット農機が活躍。今後は水稲だけでなく野菜や果樹向けのロボット農機も実用化されていると想像。
・将来は中山間地の小規模生産者に向けたスマート農業の普及を目指す。

シナリオの関係者

株式会社オプティム

関連情報

「スマート農業」に関する情報
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「ロボット農機」に関する情報

お問い合わせ先

野口伸氏
北海道大学教授。専門は農業情報工学、農業ロボット工学。

ビークルロボティクス研究室 011-706-3883

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