対話協働
2022年度
「STI for SDGs」アワード
受賞取り組み紹介
天草ブルーカーボンニュートラル ~地域循環型クリーンエネルギーの創造~
団体名:熊本県立天草高等学校 科学部 アマモ班
<取り組み概要>
周知のとおり、温室効果ガスの増加による地球温暖化と、それによって起きる気候変動は、全世界的に深刻な問題となっている。同校では、地球温暖化の影響による将来的な海水面上昇に着目し、以前より地域の海水面上昇予測と、それを食い止めるためのさまざまな活動を行ってきた。この活動は「天草の海を守りたい」という生徒の強い思いから始まっている。
本取り組みでは、当初は、天草地方に自生するアマモが海洋環境の保全や温室効果ガスの削減に役立つことに注目し、その効果の検証や地域内での定植活動を行ってきた。その活動のためアマモの効果的な育成方法を研究している過程で、魚糞の肥料としての有効活用やアマモを原料としたバイオ燃料の精製というアイディアを得た。現在は、これらを総合した活動を「天草ブルーカーボンニュートラル構想」と名付け、自ら主催するシンポジウムなどによるアマモの定植、廃校プールを活用したアマモと魚糞を使った肥料開発、アマモによるバイオ燃料精製の研究を進めている。いずれの活動も、自治体や地域の企業などを巻き込んだ地域に根付いたものである。
<受賞理由>
本取り組みは、まだ一部は研究段階ではあるものの、高校生が自主的に地域の社会 課題に目を向け、先輩から後輩へと活動を引き継ぎながら着実かつ発展的に行っているものである。また、自身が暮らす地域を愛する気持ちから、自治体や地域住民を巻き込んだ主体的な活動が継続的に行われている。 過去からの活動を引き継ぎながら新しい着眼点を加え続ける息の長い活動であること、SDGs達成に向けた熱意、自治体や地域の企業などを巻き込む自主性や行動力を 備えた取り組みであり、主としてSDGs目標4、7、13、14および17の達成への貢献が期待できるものとして、選考委員会において次世代賞にふさわしいと判断された。