未来の共創に向けた社会との対話・協働の深化

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対話協働

2021年度
「STI for SDGs」アワード 
受賞取り組み紹介

防災と環境を両立する「蛇籠技術」の普及に向けた機関横断型の取り組み

団体名:高知大学、静岡理工科大学、宮崎大学

<取り組み概要>

 近年、気候変動などに起因する大規模災害が増加傾向にあり、水害や地震などによる土砂災害や河川氾濫の発生は人々の生活と生命を脅かす大きな問題となっている。

 本取り組みでは、伝統的土木技術「蛇籠」の耐震性を参画機関の強みを生かしながら定量的に測定し、科学的知見から解析した。さらに、耐震性を高める資材選定や設計、施工法を特定するとともに、安価で技術力も問われない環境に配慮した土木技術として技術普及を目指し、国内外への展開を実施している。

  • (山間地などでみられる蛇籠擁壁)
  • (蛇籠擁壁の施工現場)
<受賞理由>

 本取り組みは、古来の技術を見直し定量的な評価を行うことで科学的に検証する、いわば温故知新を体現する持続可能性が高い活動である点や、必ずしも最新の技術でなくともSTIの活用により社会課題の解決に貢献できる好事例である点、住民参加型の活動にもなり得る点が展開性、ステークホルダーの多様性の面で高く評価された。

 伝統的な土木工法が土砂災害や水害などの自然災害に対するレジリエントな対応力を持っていることを示している点が非常に興味深く、今後も、柔と剛の両面を組み合わせた災害対応の1つの選択肢として、広く展開されることを期待し、SDGs目標1、9、11および17の達成に貢献する取り組みとして、選考委員会において優秀賞にふさわしいと判断された。

  • (産官学の機関横断での連携のもと蛇籠の技術を科学的に検証)
  • (蛇籠研究プロジェクトのメンバー)
<取り組み紹介動画>

取り組み紹介動画「生まれ変わる古の知恵」


受賞者による取り組み紹介(エコプロ2021 JSTブース内ミニセミナーにて)

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