未来の共創に向けた社会との対話・協働の深化

文字サイズ

Copyright © Japan Science and Technology Agency.

対話協働

2021年度
「STI for SDGs」アワード 
受賞取り組み紹介

「だれでもピアノ®︎」の開発 ~障がい者から高齢者までへのユニバーサルな活用~

団体名:東京藝術大学COI拠点

<取り組み概要>

 今年度公表された科学技術・イノベーション白書では、人文・社会科学の「知」と自然科学の「知」を融合した「総合知」を活用し、インクルーシブな社会や一人一人の多様な幸せの実現が提唱されており、その実現に向けた具体的な活動が求められている。

 本取り組みでは、一本の指でメロディを奏でると、伴奏とペダルが自動で追従して美しい音色が響き、誰でも華麗な演奏を体験できる自動伴奏機能付きのピアノ「だれでもピアノ®︎」を開発。本ピアノは障がいのある児童・生徒を対象に音楽教育やワークショップで活用している他、高齢者を対象に継続的なピアノレッスンを通したウェルビーイングに関する研究を推進している。また、ICT技術を用いて低遅延でMIDI情報をオーディオ機器につなぐ技術の応用により、オンラインによる遠隔演奏も実現。今後は専用アプリの開発により、活用可能な楽器や機器、ユーザー数、ユーザー層と活用シーンの拡大を目指している。

  • (だれもが楽しめるユニバーサルな“だれでもピアノ”)
  • (MIDI演奏情報の活用でオンラインによる遠隔演奏も可能に)
<受賞理由>

 本取り組みは、1人の障害者の「音楽を奏でたい」という想いが起点となっており、芸術・文化を科学技術と組み合わせてSDGs達成のための手段として活用している独創性の高い活動である。また、実物のピアノを演奏するというハード面での課題を解決するために、オンラインの活用で汎用性の確保も視野に入れるほか、医療機器としての可能性や、体験者が指導者となって社会に貢献する役割を持たせている点が包摂性、展開性においても高く評価された。「誰一人取り残されない未来をつくる」というSDGsの理念に沿った取り組みであり、SDGs目標3、4、10など複数目標の達成につながる活動として、選考委員会において文部科学大臣賞にふさわしいと判断された。

  • (障がいを持つ子供の音楽教育や高齢者のQOL向上に活用)
  • (“だれでもピアノ”開発チーム)
<取り組み紹介動画>

取り組み紹介動画「”だれでもピアノ®︎”の奏でる夢」


受賞者による取り組み紹介(エコプロ2021 JSTブース内ミニセミナーにて)

ページの先頭へ