対話協働
2019年度
「STI for SDGs」アワード
受賞取り組み紹介
「応援」やブロックチェーンを通じて再生可能エネルギーの生産者と消費者をつなぐ「顔の見える電力™」
団体名:みんな電力株式会社
<取り組み概要>
本取り組みでは、パブリックブロックチェーン上に電力のやり取りを記録する独自システムを構築した。このシステムは世界初のブロックチェーンによる電力トレーサビリティーシステムであり、福島や長野など全国各地の再生可能エネルギー発電所と消費者をマッチングし供給を行うトラッキングシステムにより、「顔の見える電力™」というサービスを実現した。選択の自由という新たな価値を創造して再生可能エネルギーの振興に努めるとともに、電力の売買を通して楽しみながら発電所と消費者をつなぎ、地域の振興へも貢献している。
<受賞理由>
ブロックチェーンを活用した電力の可視化および電力選択の自由という新たな価値を創造した点が科学技術イノベーションの活用やストーリー性の項目において評価された。また、再生可能エネルギーの普及・振興による環境問題の解決への貢献や電力の売買を通じた地域振興がSDGsの目標7や13への達成にとどまらず、持続可能性という付加価値を与える取り組みであることから、科学技術振興機構理事長賞にふさわしい。
<取り組みへの思い>
みんな電力株式会社の専務取締役 三宅成也さんは、この取り組みのポイントをこう語ってくれた。
「再生可能エネルギーの普及もテーマではありますが、電気という差のないものにストーリー性を持たせることにより、新たな価値の訴求に挑戦しています。数年前までは、価格以外に電気を選ぶ選択肢がなかったため、このようなビジネスは否定的に考えられていましたが、電気にストーリー性を持たせることにより、価格優位性以外の選択肢を消費者の方々に提供しています。」
また、「電力会社しか作れなかった電気を一般の方々にも作る側に回ることができるようになったこと自体がイノベーションだと認識しており、より多くの方々に参加していただきたいと考えています。今後はアーティストやそのファンを巻き込んだ、電力を通じたコミュニケーションにも力を入れていくつもりです。」と、今後の展望を語ってくれた。