イノベーションシステム整備事業

先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラム

Creation of Innovation Centers for
Advanced Interdisciplinary Research Areas Program

人材育成

先端融合領域におけるイノベーションを担うために、大学等と企業の双方の現場において
必要とされる次世代の研究者・技術者等の人材育成を行う。

平成20年度採択
 公立大学法人 横浜市立大学 『翻訳後修飾プロテオミクス医療研究拠点の形成』
http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~kyotenpr/

精神疾患に物質的な裏付けを与えることが目標


名前 : 宮崎 智之
所属 : 横浜市立大学 学術院 医学群 生理学


Q:
拠点ではどのようなことに取り組んでいますか?(産学の機関や既存の学問領域を超えた取り組みを行っているか?)
A:
動物を用いた基礎研究の領域では、様々な精神疾患モデルにおいて、機能的に重要とされる多くの分子が同定されてきました。しかしながら、それら分子の挙動や機能を、実際のヒトの脳内で観察した研究はありません。その中でも、私は中枢神経系において、興奮性の情報伝達に中心的役割を担うAMPA受容体の挙動を、ヒトの脳内で観察するための分子イメージング技術の開発を行っています。
Q:
拠点に参加して感じたことをおきかせください。(他研究プログラムや研究室との違いなど)
A:
私の研究テーマでは、多岐にわたる実験技術を応用して研究を行っています。その中には、質量分析装置を用いた測定や、NMRを用いた構造解析など、本研究に携わる前にはまったく触れたことのない技術もありました。本拠点にはそれら技術に卓越した先生方が多くおられ、そうした先生方との密な共同研究を通して、技術の垣根を越えた新しい研究が行えているものと、強く実感しています。
Q:
今後の目標をお聞かせください。(イノベーション創出に向けた目標設定がなされているか?)
A:
近年、AMPA受容体は、統合失調症、うつ病などとの関連が多くの論文で示唆されています。しかしながら、AMPA受容体が実際の疾患患者の脳内でどのように振る舞っているかを観察することには、誰も成功していません。その挙動を可視化し、様々な精神疾患に物質的な裏付けを与えることを目標としています。また、この技術を用いることで、精神疾患治療薬のスクリーニングを合理的に行うことが可能になるものと期待されます。

癌幹細胞の発生、転移メカニズムを解明することを目指して


名前 : 西 真由子
所属 : 横浜市立大学 大学院医学研究科 微生物学


Q:
拠点ではどのようなことに取り組んでいますか?(産学の機関や既存の学問領域を超えた取り組みを行っているか?)
A:
癌を根治するには癌の元となる癌幹細胞の性状を詳細に解析し、その標的となる因子を明らかにすることが必須です。そこで私は、私たちの研究室で独自に開発したヒト癌幹細胞モデルを活用し、癌幹細胞における異常な蛋白質翻訳後修飾の検出や疾患病態との関連について研究しています。また、癌幹細胞の自己複製能を阻害する薬剤のスクリーニングや癌幹細胞を特異的に認識するモノクローナル抗体の作製に取り組んでいます。
Q:
拠点に参加して感じたことをおきかせください。(他研究プログラムや研究室との違いなど)
A:
癌幹細胞特異的な標的因子の同定について本学プロテオーム解析センターとの共同で、また、同定された疾患関連蛋白質の合成や抗体作製および癌幹細胞を特異的に死滅、分化誘導させる薬剤の探索については、協働機関と共同で研究を進めています。本拠点では、他分野の研究者や企業が連携して研究を進めることができ、基礎研究により得られた研究シーズを実用化に向けたトランスレーショナルリサーチとして推進させることができると感じています。
Q:
今後の目標をお聞かせください。(イノベーション創出に向けた目標設定がなされているか?)
A:
癌幹細胞特異的に発現している蛋白質やそれらの翻訳後修飾を検出することにより、癌幹細胞の発生、転移メカニズムを解明することを目指しています。また、創薬につながる化合物をスクリーニングし同定することができれば良いと考えています。癌幹細胞を特異的に認識し、バイオマーカーとして利用可能な抗体を開発することで、それらを癌の画像診断に役立てたり、抗体医薬品として発展させていければ嬉しいです。

診断が困難であった疾患について早期診断が可能な技術の開発や、医薬品の
効果などを投薬前に予測するための検査技術の開発などを行っていきたい


名前 : 木村 弥生
所属 : 横浜市立大学 大学院生命医科学研究科 プロテオーム科学

Q:
拠点ではどのようなことに取り組んでいますか?(産学の機関や既存の学問領域を超えた取り組みを行っているか?)
A:
プロテオミクスの技術を用いて、疾患を引き起こす要因となりうる蛋白質の翻訳後修飾異常の検出や疾患との関連性の解明を、拠点に参画している研究者の方々や協働機関と連携して行っています。また、翻訳後修飾を解析するための技術の開発や翻訳後修飾解析結果を集約するためのデータベースの作成にも取り組んでおり、翻訳後修飾異常と疾患との関連性に関する情報をわかりやすく提示できる環境を整える活動を行っています。
Q:
拠点に参加して感じたことをおきかせください。(他研究プログラムや研究室との違いなど)
A:
長期間継続される事業のため、将来の事業化を見据えてじっくりと研究に取り組める環境や創造的な研究にもチャレンジできる環境がある点が他の研究プログラムとは違うと感じています。また、拠点内では様々な分野の専門家が参画し、密接に連携して研究を進めることができるので、様々な角度から研究を評価できる点も大きなメリットであると感じています。
Q:
今後の目標をお聞かせください。(イノベーション創出に向けた目標設定がなされているか?)
A:
現在プロテオミクスの技術を用いて網羅的に解析できる翻訳後修飾の種類は限られています。そこで、より多くの翻訳後修飾を解析できる技術を開発し、疾患に関連する多くの翻訳後修飾異常を発見したいと考えています。そして、これまで診断が困難であった疾患について早期診断が可能な技術の開発や、医薬品の効果などを投薬前に予測するための検査技術の開発などを行っていきたいと考えています。