イノベーションシステム整備事業

先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラム

Creation of Innovation Centers for
Advanced Interdisciplinary Research Areas Program

人材育成

先端融合領域におけるイノベーションを担うために、大学等と企業の双方の現場において
必要とされる次世代の研究者・技術者等の人材育成を行う。

平成18年度採択
 国立大学法人 東京大学 『ナノ量子情報エレクトロニクス連携研究拠点』
http://www.nanoquine.iis.u-tokyo.ac.jp

社会の持続可能な発展を支えられるような新しい技術および
プロダクトの開発を目指して


名前 : 田辺 克明
所属 : 東京大学 ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構

Q:
拠点ではどのようなことに取り組んでいますか?(産学の機関や既存の学問領域を超えた取り組みを行っているか?)
A
次世代の低消費電力・高速演算素子、大容量通信のための高性能光・電子融合集積回路の実現に向けたシリコン上の量子ドットレーザの開発を行っております。異なる複数の材料の組み合わせによって新しい優れた機能を持つデバイスを創出するというコンセプトのため、異なるバックグラウンドを持った、複数の機関の研究者の方々とのコラボレーションにより研究を推進しています。
Q:
拠点に参加して感じたことをおきかせください。(他研究プログラムや研究室との違いなど)
A
このようなプログラムでなければ接することのなかった他学科、他分野の研究室の方々と議論する機会を持つことができました。また、複数の企業の方々とも共同研究を遂行させて頂きました。実際に、そういった交流により優れた研究成果を得ることができておりますので、非常に有意義であったと感じております。
Q:
今後の目標をお聞かせください。(イノベーション創出に向けた目標設定がなされているか?)
A
社会の持続可能な発展を支えることのできるような新しい技術およびプロダクトの開発を目指し、研究を続けて行きたいと考えております。


図.作製したシリコン上量子ドットレーザ(の断面透過型電子顕微鏡像および量子ドットの原子間力顕微鏡像とレーザの発振スペクトル)

量子情報に有用なだけでなく、バイオイメージングなど現在想像できないような
新たな応用の可能性もあるデバイスの開発


名前 : 太田泰友
所属 : 東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構

Q:
拠点ではどのようなことに取り組んでいますか?(産学の機関や既存の学問領域を超えた取り組みを行っているか?)
A
半導体量子ナノ構造である量子ドットと光学的ナノ構造であるフォトニック結晶を組み合わせた量子光デバイスの開発に取り組んでいます。特に、単一光子やもつれ光子対などの生成に興味があり、後者に関しては拠点参加企業の方と共同で研究させて頂いています。他にも、上述の系を応用したナノ非線形光学による小型集積多色光源など、従来の概念ではなかなか捉えきれないと思われるデバイスに挑戦しています。
Q:
拠点に参加して感じたことをおきかせください。(他研究プログラムや研究室との違いなど)
A
規模が大きく何でもあるというのが率直な感想です。様々な分野の優れた人々、最先端の装置、そして高いレベルの研究が揃っており、やる気ある研究者にとっては自分の力を発揮しやすい、この上ない研究環境が提供されていると思います。また、広い分野の研究者とネットワークを結ぶ機会にも恵まれ、研究の刺激を受けるともに新しいアイデアが生まれやすい場所と実感しています。
Q:
今後の目標をお聞かせください。(イノベーション創出に向けた目標設定がなされているか?)
A
短期的には現在作製しているデバイスの性能を飛躍的に向上させることです。これにより単一光子レベル非線形性の発現など、新たな展開を期待しています。長期的には、現在の技術を突き詰めて、様々な性質をもつ光をナノの領域で簡易的に発生できる光源を実現したいと考えています。このようなデバイスは量子情報に有用なだけでなく、バイオイメージングなど現在想像できないような新たな応用の可能性もあると信じています。

ナノ非線形光学効果を使った小型多色集積レーザー光源(近視野像)


フォトニック結晶ナノ共振器中光子と単一量子ドット中励起子との強結合状態の実現
  

世界の国々から研究者たちが集まり、
皆の助け合いで全員の研究が進んでいる


名前 : 崔・琦鉉(チェ・ギヒョン)、マーク・ホームズ
所属 : 東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構

Q:
拠点ではどのようなことに取り組んでいますか?(産学の機関や既存の学問領域を超えた取り組みを行っているか?)
A

室温で動作可能な単一光子源の実現に向けて、位置制御されたGaN系ナノワイヤ量子ドットの作製とその光学特性の評価に取組んでいます。無転位の結晶成長が可能な選択成長ナノワイヤを量子ドットの母材にすれば、高品質なドットを好きな位置に作ることができます。最近、これらを用い、室温における単一光子発生の実証に成功しました。これは量子ドットをベースとした量子デバイスの実用化に向けて大きな前進と考えられます。

Q:
拠点に参加して感じたことをおきかせください。(他研究プログラムや研究室との違いなど)
A

(崔) 広い分野を括る拠点なので、色々な研究に触れることができ、良い刺激になります。また世界の国々から研究者たちが集まってきているので国際色豊かで活気がある点も非常に良いところだと思います。

(マーク)我々の研究室は人数が多く、結構国際的だと思います。例えば、窒化物の研究を行っている人だけでも、日本人、中国人、韓国人、フランス人、イギリス人がいます。皆の助け合いで全員の研究が進んでいると感じます。
Q:
今後の目標をお聞かせください。(イノベーション創出に向けた目標設定がなされているか?)
A
(崔)量子ドット光デバイスを実用化する技術の開発に役立てたいと思います。今回室温における単一光子発生の実証に成功しましたが、実際に使える量子デバイスにするための研究を続けていきたいと思います。

(マーク)量子コンピュータの実現に向けた研究を進めたいと思います。この分野はまだ発展途上であり、今後大きなパラダイム・シフトが期待されます。個人的には量子ドットを用いてどこまで到達できるか、探究したいです。


上は位置制御したGaN系ナノワイヤ量子ドットのSEM像、下は室温における単一光子発生を実証した光子相関図