チームリーダー : |
中川 達央【株式会社ユニソク 取締役 分光・制御事業部 部長】 |
サブリーダー : |
加藤 隆二【日本大学 工学部 生命応用化学科 教授】 |
中核機関 : |
株式会社ユニソク |
参画機関 : |
日本大学、名城大学、大阪大学
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- T.開発の概要
- 本開発では、新しい過渡吸収測定手法であるRIPT法(Randomly-Interleaved-Pulse-Train method)の性能を飛躍的に向上させるとともに、テーブルトップサイズの普及型サブナノ秒過渡吸収測定システムを構築する。従来の過渡吸収測定法において計測が困難であった1ナノ秒から数10ナノ秒の領域を含む広い時間幅をカバーすることにより、過渡吸収測定法の汎用性が飛躍的に高まり、基礎から応用までの幅広い研究・開発への貢献が期待できる。
- U.開発項目
- (1)普及型プロトタイプ装置の開発
- 時間分解能50 ps以下、測定所要時間1サンプル10分の測定が恒常的に実現でき、ユニット外装が目標よりさらにコンパクトなプロト装置を開発し、最終目標を上回った。
- (2)ハイエンド型プロトタイプ装置の開発
- 10波長同時測定、測定所用時間1サンプル1分、蛍光寿命測定可能なハイエンドモデル過渡吸収測定装置を開発し、時間分解能16 psを実現して、最終目標を大きく上回った。
- (3)その他
- 本装置で初めてギャップ領域の反応を計測可能としたので、多くの大学、企業等から測定依頼があり、著名な論文でも取り上げられた。また、製品化にも成功、光化学協会技術賞、発明功労賞を受賞するなど、学問的に大きなインパクトをもたらし、最終目標を大きく上回った。
- V.評 価
- 本課題は、独自に開発したRIPT法を用いて新たな過渡吸収測定装置を開発することにより、今まで計測できなかった1ナノから数10ナノ秒にあるギャップ領域の分子化学分析を実現するものである。
開発は極めて順調に進捗し、普及型モデルだけでなく、短時間で10波長同時測定できるハイエンドモデルも開発した。既に製品化にも成功しており、論文発表や海外の国際会議に出展するなど、普及活動も積極的に行っていることは高く評価できる。さらに著名な論文で紹介され多くの賞を受賞するなど、学術的、産業的にも評価されており、今後の展開がますます期待される。
本開発は、当初の開発目標を達成し、それを上回る特筆すべき成果が得られたと評価する。[S]
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