チームリーダー : |
田中 浩士【東京工業大学 物質理工学院 准教授】 |
サブリーダー : |
岩井 久美子【エヌ・エム・ピイビジネスサポート株式会社 精密機器部 品質保証グループ マネージャー】
|
中核機関 : |
東京工業大学 |
参画機関 : |
エヌ・エム・ピイビジネスサポート株式会社、東京都健康長寿医療センター研究所、九州大学 |
- T.開発の概要
-
動物用PET装置を用いた動物体内でのリアルタイムの画像化が、化学物質の生体内挙動を得る簡便で有効な手段として注目されている。しかし、半減期の短い放射性PETプローブの供給において、その合成空間と時間の制約が、PETを用いた基礎研究の推進に大きな妨げとなっている。本課題では、精製用タグ法を利用する固相抽出精製法を採用することにより、HPLC装置を必要としない小型でシンプルな自動合成システムの開発を目指す。
- U.中間評価における評価項目
- (1)プロトタイプ装置の開発
- 減圧・加圧により試薬移動が可能な小型、重量30 kg以下のプロトタイプ装置を前倒しで開発した。また、切替バルブ本体をスプリングタイプに、駆動部をPush-Pull型に変更して、摺動性、機密性、耐久性を向上させ、中間目標を上回った。
- (2)アミロイドβへの結合評価
- 3種の誘導体の合成を実現し、Ki 16 nMの化合物を創出し、中間目標を達成した。
- (3)EGCGへの結合評価
- 2種の誘導体の合成は達成したものの、生物機能評価を測定するのに十分な量や純度での合成は達成できなかった。
- V.評 価
- 本課題は、HPLC精製を経ずに精製用タグ法により高放射性濃度サンプルが供給可能な小型で簡便な動物実験用PET分子プローブ自動合成装置を開発するものである。
PET分子プローブ自動合成プロトタイプ装置は、当初目標より前倒しで開発した。小型で細部にわたりユーザーが使いやすく設計されており高く評価できる。
今後は、アミロイドβ、EGCG誘導体の分子プローブを早期に完成し、並行的に進めているユーザーニーズの把握、市場性、波及効果を踏まえて市場投入を加速するなど、開発を着実に推進すべきである。[A]
|