資料4

開発課題名「細胞内1分子スクリーニングシステムの開発」

(平成25年度採択:最先端研究基盤領域(旧一般領域) 機器開発タイプ)

チームリーダー :  上田 昌宏【(独)理化学研究所 生命システム研究センター グループディレクター】
サブリーダー :  桝田 秀【(株)ニコンインステック バイオサイエンス営業 本部 西日本営業部 ゼネラルマネジャー】
中核機関 :  (独)理化学研究所
参画機関 :  大阪大学(医学系研究科、工学研究科、免疫学フロンティア 研究センター)
T.開発の概要
 日本が先駆けて実現した、細胞内で1分子の振る舞いを分析する手法(細胞内1分子動態解析)を応用し、分子動態の変化に基づく新しい指標による、薬剤や疾病因子の「細胞内1分子スクリーニングシステム」を開発する。1分子技術は創薬や医療など生命科学分野の強力な手法となり得るものであり、自動化やプロセスの統合によって、懸案である計測・解析の効率を大幅に向上させ、網羅的分析が可能なハイスループットシステムの実現を目指す。
U.中間評価における評価項目
(1)細胞内1分子イメージング・スクリーニング装置の開発
 プロトタイプシステムの設計・構築を完了した。それを用いたオートフォーカス・細胞自動選択・オイル自動供給モジュールの設計・構築を完了し、それぞれ実現したことを確認した。また、採択時に指摘のあった「普及タイプシステムの開発」は、設計を完了し、中間目標を達成した。
(2)解析ソフトウェアの開発
 分子追跡や統計解析による各種パラメータ取得まで行う機能を統合、実装した。拡散係数、異常拡散性、自己相関係数、解離速度定数の4種パラメータの取得が可能なシステムを開発し、中間目標を上回った。
(3)細胞内1分子解析に基づくスクリーニング手法の確立
 生理活性物質との反応の変化が拡散係数に現れスクリーニングの有効な評価指標となる1指標を選定することができた。
 新規タンパク質タグを開発し、S/N比が従来タグと同等の細胞内1分子イメージングが可能であることも確認し、中間目標を達成した。
V.評 価
 細胞内1分子イメージングによる生体分子動態の解析を全自動化し、スクリーニングシステムとする開発課題である。
 開発は極めて順調に進捗しており、中間評価の目標は全て達成した。最高性能のプロトタイプ機を開発しながら、普及タイプ機の開発も平行的に進め、生物医学研究に大きな貢献をすると期待できる。
 今後も、開発チームメンバーと協力して細部に亘る工夫を積み重ね、現場ニーズに沿った前人未踏の装置開発を目指して着実に開発を推進すべきである[A]。