| チームリーダー ： | 仲村 髙志【（独）理化学研究所 グローバル研究クラスタ連携支援ユニット 専任技師】 |
| サブリーダー ： | 内海 博明【（株）JEOL RESONANC ソリューションマーケティング部 副主幹研究員】 |
| 中核機関 ： | （独）理化学研究所 |
| 参画機関 ： | （株）JEOL RESONANCE、（株）イムラ材料開発研究所、筑波大学、岩手大学 |
- Ⅰ．開発の概要
- バルク超電導体は、冷凍機による50 Kの伝導冷却で5T（テスラ）以上の無冷媒磁石にできる。このバルク磁石を用いて広領域に対応したNMR・MRI用プローブを新規開発する。磁石の均一磁場の向上と、それに合わせた高分解能の溶液NMR、固体NMR、およびマイクロMRIプローブをそれぞれ開発し、資源の枯渇が心配されている液体ヘリウムなしで稼働できる、省スペース、省エネルギーの新しいNMR・MRI基盤を創造する。
- Ⅱ．中間評価における評価項目
- （１）新規設計バルク磁石の評価
- 試作したバルク磁石において着磁実験を行い、室温ボア中心部に4.7 Tの磁場を捕捉できたことを確認した。磁場均一性については、第一次項シム補正により10 ppm以下を達成した。
- （２）磁場分布評価用MRIプローブ
- 目標（6 mm DSV）より広範囲の撮像が可能なMRIプロープ製作し、検出感度としてS/N 10以上、空間分解能33 μmを達成した。
- Ⅲ．評 価
- 本課題は、永久電流モード駆動が出来ない従来の高温超伝導線材を用いた超伝導磁石に代わり、超伝導円電流が流れるバルク高温超伝導体で構成された磁石を作製し、無冷媒冷凍機で冷却できる永久電流駆動タイプの簡易型NMRシステムを構築しようとするものである。複数の形状・構造・材質の高温超伝導バルク磁石を作製し、着磁実験を行った結果、着磁過程で発生する応力などにより磁石が破壊することなく4.7 Tの磁場を捕捉できることを確認した。磁場均一性、安定性などの中間目標項目も全て達成しており、開発は順調に進んでいる。高温超伝導バルク磁石の複数の候補についての絞り込みを早急に行ったうえで、最終目標へ向けた技術開発を着実に推進すべきである[Ａ]。