資料4

開発課題名「赤外線カメラを用いた二次元可視化熱分析用ソフトウェアの開発」

(平成21年度採択:ソフトウェア開発タイプ)

開発実施期間 平成21年10月〜平成24年3月

チームリーダー :  森川 淳子【東京工業大学大学院 理工学研究科 准教授】
サブリーダー :  山崎 精二【三幸電子(株) 代表取締役】
中核機関 :  東京工業大学
参画機関 :  三幸電子(株)、(株)セキテクノトロン
T.開発の概要
これまでに赤外線カメラを温度センサに用いた熱伝導率測定装置並びに二次元示差熱分析装置を開発した。温度画像を高速で得られるメリットを生かし、顕微レンズを用いることで微小試料について、従来にはない高感度熱量変化測定と熱の移動の様子が同時に観測できる。本装置を実用化するためには、データの取り込みと画像処理が迅速であること、各種の物性値に換算できること、安価なカメラにも適用できることなどが必要である。本課題では、可視化熱分析装置として、材料開発の現場で使用されるような安価で操作性の良い装置の完成を目標としたプログラムの開発をする。
U.事後評価における評価項目
(1)6件のソフトウェアモジュールの開発
赤外線カメラからの画像情報を処理するため、 @画像取り込み・画像処理ソフトウェアの開発、A自動温度変換ソフトウェアの開発、B信号合成用ハードコントロールソフトウェアの開発、C疑似高速化ソフトウェアの開発、D可視化熱分析測定ソフトウェアの開発、および、E熱拡散率解析ソフトウェアの開発をそれぞれ独立して開発し、それぞれの機能確認をした。
(2)統合ソフトウェア
  6件のソフトウェアモジュールを連結し、GUIによる高速で機動的な統合ソフトウェアを開発して、赤外線カメラからの画像情報を赤外分析し、2Dの熱物性測定が可能であることを確認した。
V.評 価
赤外線カメラによる2次元熱分析用画像処理のソフトウェアとして、6つのモジュールおよび統合ソフトウェアを開発し、機能面での目標は達成したと評価できる。本成果を実用化するに当っては、装置を含む定量的な評価、実用上十分な性能を発揮できるかを第三者の客観的な視点から行われることが必要である。微小領域の2次元熱分析はグリーンイノベーション等をキーワードに今後需要が増すと予想されるので、本成果を有効に生かしていくことを期待したい。本開発は当初の開発目標を達成し、本事業の趣旨に相応しい成果が得られたと評価する[A]。


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