チームリーダー : |
進藤 春雄【東海大学 情報理工学部 教授】 |
サブリーダー : |
柳澤 道彦【(株)ランドマークテクノロジー 技術本部 部長】 |
中核機関 : |
東海大学 |
参画機関 : |
(株)ランドマークテクノロジー
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- T.開発の概要
- 本開発では、集積回路(LSI)プロセスの中心技術である半導体製造プラズマ装置、ロケットスラスタープラズマさらには生物生体プロセスプラズマなど広範な応用プラズマの分析技術として、電子放出可能な浮遊型プローブ法を提案し、その原理特許を取得済みの技術をもとに、プラズマ電子エネルギー分析、電子・イオン密度解析、プラズマポテンシャル分布などの総合的分析を可能とするプラズマ分析装置プロトタイプの開発を行う。
- U.事後評価における評価項目
- (1)プラズマ分析装置測定可能上限周波数100MHzを達成するための各種計測
- プラズマ生成周波数100MHzの装置を試作し、既に十分検討済みの周波数13MHzにおける平行平板プラズマでの測定結果と比較検討を行っている。圧力5Pa−10Pa、電力50Wの条件下で、プラズマ電位、浮遊電位、電子温度、電子密度は既知の周波数13MHzの装置と同等の性能を示した。この時ポテンシャル分布については、プラズマ電位分布をチャンバー壁近傍まで計測可能であった。
- (2)フィラメント材料の耐久試験
- タングステン、チタン、白金、レニュウム各材料について、フィラメント材料による測定結果への影響を検証するとともにフィラメント形状(長さ、径)による測定への影響について典型的なアルゴンプラズマにおいて検証を行っている。また、反応性プラズマにおけるフィラメント寿命についてはSF6エッチングプラズマならびに酸素プラズマにおいて実試験を行い、目標達成への基礎データを得ている。
- (3)プラズマ分析装置のCVDおよびエッチングモニター装置としての性能評価
- 半導体製造機メーカーの実機にてプラズマ分析・評価を行う計画を進めていたが、開発期間内に測定・評価を終了するに至っていない。遅延の理由は実機への開発プラズマ分析装置取り付け冶具に対するメーカー側の要求性能が高く、取り付け冶具の作製に時間を要したことが原因である。
- (4)浮遊型プローブによるプラズマ分析装置のプロトタイプ機の完成
- 加熱回路部、光結合回路部の開発により試作機(1号機)を完成させた。東海大学でのプローブを接続した状態、およびランドマークテクノロジー社内での擬似負荷を接続した状態での評価を行い改善点を抽出した。得られた結果を基に試作機(2号機)を完成させている。主な修正点は@計測部回路の修正、A計測タイミング信号を追加、Bフィラメント電圧・電流測定回路を削除、C非フローティング部の電源供給を、リレーによる断続給電方式から常時給電方式に変更 である。
- V.評 価
- 電子放出可能な浮遊型プローブによるプラズマ分析装置の開発に関して、周波数100MHzにおける計測、エッチングに対して耐久性のあるフィラメントの開発やプラズマ分析装置のプロトタイプ機の開発に成功している。プラズマエッチング実機での測定はまだ実施できていないが、これを積極的に推進し、良い結果を得ることを期待したい。本開発では、当初の開発目標を達成し、本事業の趣旨に相応しい成果が得られたと評価する。[A]。
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