資料4

開発課題名「糖鎖による診断統合ソフトウェアの開発」

(平成21年度採択:ソフトウェア開発プログラム)

チームリーダー : 西村 紳一郎【北海道大学大学院先端生命科学研究院 教授】
中核機関 : 北海道大学
参画機関 :  サイエンス・テクノロジー・システムズ(株)
T.開発の概要
 血清中糖鎖の定量的発現プロファイルに基づき疾患診断情報を与えるまでの一連の工程を全自動化する「全自動糖鎖プロファイル診断システム」に対する統合的なインターフェースを有するソフトウェアを開発する。前処理・測定・プロファイル解析・疾患診断に関するアプリケーション群を実装した統合インターフェースの開発、および測定機器とサーバー群間のセキュアな通信を付加させた医療機器対応の診断システムの構築を行う。
U.中間評価における評価項目
(1)統合インターフェースの開発
 要求仕様書(4ページ)、基本仕様書(10ページ)、詳細設計書(20ページ)を完成し、一連の動作を全て行えるインターフェースを作成、完了した。
(2)サーバークライアントシステムの構築
 要求仕様書(10ページ)、システム仕様書(50ページ)を完成し、サーバー間、クライアント間をVPN通信でセキュリティを確保するとともに糖鎖のアノーテーションされたデータ転送を出来るようにして、データベースを構築した。
(3)機器の直接制御
 要求仕様書、基本仕様書、プログラム設計書を完成し、SweetBlotの機器制御からプレート搬送、MSによる測定、および測定データの読み込みと全て一連の動作を全自動で計測可能にした。
(4)疾患判断アルゴリズムの試作プログラムの実装
 要求仕様書、基本仕様書、プログラム設計書を完成し、疾患者と健常者のデータを比較して疾患マーカーを自動的に選択し、既に見出されている疾患による糖鎖変動に対して高確率で判定可能な疾患判断アルゴリズムを実装した。
V.評 価
 本事業「機器開発プログラム」で開発された糖鎖自動分析装置の制御、データのネットワーク転送等を含めた総合システムの開発である。本ソフトウェアの開発は極めて順調に進捗しており、各項目とも前倒しで進められており高く評価したい。最終的には臨床医療の現場で利用することを想定しているようであるが、装置はあくまでも医師の診断に際して判断に足る精度の高いデータを提供することが目的であり、診断自体は医師が行う医療行為として捉えるべきである。その点では、本事業としての中間目標をクリアし、開発期間を1年前倒しして、さらに最終目標をも達成している。今後は臨床現場での実用化を目指し、大学病院等での利用やデータ取得等を進め、早期の製品販売に向けて積極的に推進するべきである[S]。


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