チームリーダー : |
仲井 和之【日本ベル(株)取締役・開発部 部長】 |
中核機関 : |
日本ベル(株) |
参画機関 : |
(株)信州大学 |
- T.開発の概要
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高圧定圧吸着量測定装置を開発する。吸着等圧線は実プロセスでは重要であるが、これまで分析装置は市販化されていない。本装置により水素貯蔵において高精度な吸着等圧線が測定可能となり、温度を変化させ吸着量がどのように変化するかが測定可能となる。また、水素貯蔵材料の吸放出速度や従来のPCT曲線の測定も可能であり、貯蔵材や吸着剤の評価・分析を簡単かつ精度よく短時間で測定することが可能となる。
- U.中間評価における評価項目
- (1)1MPa高圧定圧吸着装置
- 1MPa高圧型定圧吸着量測定装置のハードウェアは完成し、1MPaまでの高圧における吸着等圧線の測定方法が正しく、また従来よりも大幅に短い時間で実行可能であることが確認できた。今後は市販化に向けて、種々の多孔性固体に対応できる汎用性と、測定の精度を高め、さらに自動化により測定の省力化をはかる段階へと開発を進める。
- (2)常圧定圧吸着装置+高真空排気システム
- 高真空排気システムは予定通り機器の選定、および既存の装置への取り付けが完了した。それを用いた吸着等量線測定法の開発も予定通り進行している。
到達真空度:目標値を超える2.4x10-5Paを達成した。
吸着等量線測定:等量線の測定中の吸着量変動は±0.2%である。吸着等温線との誤差は、現在2%以内である。
- (3)定容量法吸着装置
- 定容量法による高圧ガス吸着量測定装置(BELSORP−HP)の立上げを完了し、ガス吸着等温線の測定を実施し定容量法高圧ガス吸着量測定装置が正常な機能を有することを確認した。基準サンプルとして選んだMOF、活性炭粉末の測定に関しては文献測定データとほぼ同等であることを確認した。現在、測定の再現性の確認を進めている。
- V.評価
- 既存0.1MPa装置をベースにした1MPa定圧吸着装置のための各開発要素項目は絶対流量を採用し水分除去など基本的技術などの面にも配慮しており計画通り進んでいる。
本手法により、40MPa定圧吸着装置の開発においても信州大学との協力で進め、超高圧化での吸着物理の発展にも貢献するように開発を着実に推進すべきである。[A]
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