チームリーダー : | 楠城 紹生 【(株)ニデック 研究開発本部 探索研究部 主席研究員】 |
中核機関 : | (株)ニデック |
参画機関 : | (独)国立病院機構 (独)理化学研究所 |
- T.開発の概要
- 脳科学分野の機能的OCT イメージングを活用することにより非侵襲・他覚的に高精細網膜内因性信号計測が行えるシステムを開発し、高品位画像処理による網膜層構造(視細胞〜神経節細胞)各部の機能把握を目的とし、合せて各種精密パターン刺激(時間的・空間的)による視細胞部の錐体(R,G,B)及び桿体動態など多彩な検査データ抽出を課題とし、視神経機能実質における極早期診断を可能にして将来の医療分野の発展に貢献する。
- U.中間評価における評価項目
- (1)FD-OCT実験機製作
- フーリエドメインOCT実験機を製作し、分解能5μm以下であることが確認された。
- (2)機能OCT実験機開発
- 上記の実験機に各種の網膜刺激用ハードウエア、ソフトウエアを付加し干渉断層画像強度の安定化を図り、"ゆらぎ幅"0.046%平均の結果を得た。
- (3)計測プログラム開発
- 光刺激後10秒前後のタイムコース測定で、ビデオレート50Hzにて10秒間(500枚)のOCT断層画像を取得した。想定した信号強度は内因性信号と同様に0.1-1%程度のものであったが、拡散フラッシュ刺激で視細胞層から得られた機能OCT信号は、最大20%程度の大きなものであった。
- V.評価
- OCT装置に眼底観察装置および刺激装置を組み込んだ機能OCT装置を開発し、高い空間解像度(5μm)の解剖学的画像を得ることが確認できた。また、麻酔による非覚醒下のサルを使った実験において、機能OCTとして網膜外層(視細胞)からの内因性信号を捉えることに成功した。 開発は順調に進行しており、当初目標に掲げた成果は達成できると期待される。今後は、麻酔下だけでなく、覚醒下でのデータを取得し、着実に推進すべきである[A]。