資料4

開発課題名「フォトニック結晶を利用した分光イメージセンサーの開発」

(平成19年度採択:要素技術プログラム【応用領域】)

チームリーダー :  大寺 康夫 【東北大学 大学院工学研究科 准教授】
中核機関 :  東北大学
参画機関 :  なし
T.開発の概要
 可視・近赤外光による分光イメージングにおいて、複数の波長の像を単一ショットで計測するのに必要な「モザイク型波長フィルター」をフォトニック結晶技術を応用して開発する。本開発の特徴は、誘電体多層膜型層構造による鋭い波長選択性と、微小波長フィルター要素のモザイク配置による色分解機能である。波長間隔数nmで4〜25程度の波長像の同時取得が可能となり、将来的に実時間プロセスモニタリング、非接触医用画像機器への応用が期待できる 。
U.中間評価における評価項目
(1)波長フィルター設計技術の確立
 隣接画素間のクロストークを1%〜数%にまで抑制できることを確認した。また、動作波長域における平均透過率について終端処理層なしの場合より平均5%以上向上させた。
(2)波長フィルター作製技術の確立
 可視、近赤外、赤外の各波長帯について、いずれも9チャンネル(縦3ch x 横3ch)の多チャンネル配置に成功し、平均透過率・狭帯域化の目標値をほぼ達成した。
(3)フィルター・センサー間集積技術
 1/14画素以下の精度で検出可能な機構を考案、実証した。
V.評価
 フォトニック結晶をモザイク状に作製してフィルターとし、これをCCDセンサーと集積することによって、多波長におけるイメージを同時測定しようという要素技術の開発は、医療・診断計測のみならず、化学薬品や食品等の製造現場等ものづくり現場における活用も大いに期待される。
 開発は所期の計画に沿って順調に進行し、開発技術は既に実用的な段階に達している。当初目標に掲げた成果は十分達成できると思われるが、ポスドク等新たな開発担当者の参画により、開発の進展が加速されるものと考えられる。今後は、開発成果の知的財産確保に努め、開発終了後の実用化に向けた準備を進めつつ、着実に推進すべきである。[A]


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