資料4

開発課題名「生物発光リアルタイム測定システム」

(機器開発プログラム:領域非特定型)

チームリーダー :  石浦 正寛 【名古屋大学 遺伝子実験施設 教授】
中核機関 :  名古屋大学
参画機関 :  中立電機 株式会社
浜松ホトニクス 株式会社
T.開発の概要
 ゲノムプロジェクトの進展により膨大なゲノム情報が蓄積しつつあり、飛躍的に処理能力の高い解析法が待望されている。生きた細胞を用い、遺伝子発現を生物発光として連続的に自動測定する生物発光リアルタイム測定法は、極めて高い感度・精度・時間分解能で詳細な遺伝子発現を全自動で解析する強力な手法である。本開発では、この手法の高感度化、多色化、簡便化、汎用化を行い、さらに強力化・大規模化することにより、「世界最強の生物株の大規模モニタリング・スクリーニングシステム」を実現する。
U.中間評価における評価項目
(1)大規模生物発光測定装置の開発
 試作装置とプログラムが完成し、96穴マイクロプレートが4枚セットで測光と同時に解析可能となった。
(2)小型生物発光測定装置の開発
 既存製品と比べて数倍に高感度化された4チャンネル高感度光電子増倍管を試作し、常温で高感度測定が可能となった。搬送モジュールは、12枚のマイクロプレートを8日間、連続で搬送可能である。これらを統合した自動測定装置により24穴マイクロプレートでシロイヌナズナの発光レポーター株を5日間、連続で自動測定できることが確認された。
(3)発光データ記録・解析プログラム
 試作プログラムを完成し、装置と連動して測光と同時に発光量の定量化、定量結果の視覚化、データ記録、解析が可能となった。
V.評価
 生きた細胞を用い、遺伝子発現を生物発光として連続的に自動測定する生物発光リアルタイム測定する装置の開発は、高感度化、多色化、簡便化、汎用化等により、大規模モニタリング・スクリーニングシステムとなることが期待される。
 開発は順調に進行しており、当初目標に掲げた成果は達成できると思われる。今後は、装置開発のキーとなる検出器開発に重点を置き、早期の製品化を目指して、開発装置の普及に向けてユーザーとの共同研究等による装置の評価、応用特許の取得、および市場調査の実施等を行いつつ、着実に推進すべきである。


前のページに戻る