チームリーダー : | 谷口 一雄 【大阪電気通信大学 工学部 教授】 |
中核機関 : | 大阪電気通信大学 |
参画機関 : | 株式会社X線技術研究所 大阪市立大学 山口東京理科大学 |
- T.開発の概要
- マイクロX線ビーム励起を用いた蛍光X線分析法を構築し、1粒子の計測可能サイズをφ50nm以上、かつその定量値下限をfg(10〜15g/粒子)とすることができる大気浮遊粒子等の1粒子測定用蛍光X線分析装置を開発する。極微少量環境物質である宇宙塵や大気浮遊粒子の1粒子の形状とその構成成分を、前処理なしで直接かつ多成分の同時定量を可能とし、環境分野で強く要望されている先端計測機器の実現を可能とする。
- U.中間評価における評価項目
- (1)研究ニーズに対応する測定・評価法の確立
- 仕様書並びに基本設計図面を完成させた。
- (2)微粒子位置検出法の確立
- 検出法としての図面を完成させ、標準ナノ粒子による測定では、目標とする性能を達成した。
- (3)多重励起X線管の製作
- 焦点サイズ及び出力パワーの数値目標を達成した。
- (4)二重湾曲結晶の製作
- 焦点サイズの数値目標は達成したものの、Gainが不足している。
- (5)検出器の製作
- 各種検出器においては、ほぼ目標を達成しているものの、冷却システムの改善によりさらなる性能向上を期待する。
- (6)蛍光X線分析装置の製作
- 仕様書、基本設計図面並びに分析ソフトを完成させた。今後は制御ソフトを完成させ、早急に試作装置の評価を行うべき。
- V.評価
- 極微少量環境物質である宇宙塵や大気浮遊粒子の1粒子の形状とその構成成分を、前処理なしで直接かつ多成分の同時定量を可能とする蛍光X線分析装置の開発は、環境分野の研究において新たな知見をもたらすものとして期待される。
- 本開発では、多くの要素技術の開発をバランスよく推進しており、全体としての進捗は高く評価できるものであるが、今後は、これらの要素技術を組み合わせた際のプロトタイプ機のパフォーマンスをよく検討し、当初掲げた目標を確実に達成できるよう必要な要素技術を吟味しつつ、着実に推進すべきである。