資料4

開発課題名「生体分子3次元高分解能動態解析装置の開発」

(機器開発プログラム:領域特定型「生体内・細胞内の生体高分子の高分解能動態解析
(原子・分子レベル、局所・3次元解析)」)

チームリーダー :  伊東 修一 【オリンパス 株式会社 研究開発センター 課長】
中核機関 :  オリンパス株式会社
参画機関 :  金沢大学
京都大学
北陸先端科学技術大学院大学
名古屋工業大学
T.開発の概要
 生体高分子(タンパク質やDNA等)の動的構造情報を得ることは、その機能解明を行うために重要である。そのための生体分子3次元高分解能動態解析装置(高速原子間力顕微鏡)を開発する。従来の原子間力顕微鏡は1画像を撮るのに分オーダーの時間を要し、動的挙動観察は不可能であった。本装置は、水溶液中の生体分子をナノメータの解像度で動的観察可能となる。描画速度40フレーム/秒、垂直分解能0.1nm、試料に与える力2pN以下という性能を達成する。
U.中間評価における評価項目
(1)スキャナ性能
 目標とする周波数を達成した。
(2)制御性能
 振幅検出技術の開発を完了した。
(3)変位センサー性能
 センサー帯域工場についての開発を完了した。
(4)装置プロトタイプ
 電気回路、スキャナ等を設計中である。
(5)カンチレバー性能
 目標とする共振周波数を達成した。
(6)画像取込・表示ソフトウェア
 ソフトウェアの開発を完了し、単体での機能を確認した。
(7)動画解析ソフトウェア
 開発中である。
(8)試料固定基板
 複数の材料において試作した。
(9)試料観察実績
 実際の生体分子試料に対する装置の適合性を確認するとともに、測定上の課題を抽出した。
(10)AFM像の解析法の開発
 プログラムの開発を完了した。
V.評価
 水中で動く生体分子の機能を損なうことなく高い空間分解能で高速観察可能な装置の開発は、生命科学の独創的な先端研究に資するとともに、ひいては医療分野の研究にも貢献が期待される。
 本開発は順調に進行しており、当初目標に掲げた成果は十分に達成できると思われるが、産学連携をより強化して開発を進め、各々の要素技術についても、可能な限り早い段階で製品化することを期待する。今後は、対象となるユーザーの要求性能を明確化しつつ、着実に推進すべきである。


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