資料4

開発課題名「高感度・高密度バイオ光受容素子」

(要素技術プログラム)

チームリーダー :  井上 康則 【東京理科大学 理工学部 教授】
中核機関 :  東京理科大学
参画機関 :  東京大学
東京工業大学
静岡大学
独立行政法人 産業技術総合研究所
T.開発の概要
 耐熱性ラン色細菌の光受容生体コンポーネント(PSI)を光電変換部に用いた高感度・高密度のバイオ光受容素子を開発する。ラン色細菌から熱安定性が高く、高感度のPSIを単離し、分子ワイヤー、金ナノ粒子、ナノゲート電界効果トランジスタと連結した超高感度のフォトンカウンティング素子を開発する。1個のフォトンで1個の電子が生じ、この電子を受容した金ナノ粒子の電気化学的ポテンシャルがデジタルに変化することを利用して、室温で単光子を検出する。
U.中間評価における評価項目
(1)psaL遺伝子破壊によるPSIの単量体化−単離PSIの80%単量体化
 正常なpsaL遺伝子がすべて破壊された株を作出することに成功した。
(2)PSI固定可能な極微小電極の作製−500nmφの電極
 500nmφの微小金電極の作製に成功し、電極として機能することが確認できた。
V.評価
 耐熱性ラン色細菌の光受容生体コンポーネント(PSI)を光電変換部に用いた高感度・高密度のバイオ光受容素子を開発する。生体系を利用した意義あるテーマであり期待したい。開発は着実に進行しており、各構成要素技術も整いつつあり評価できるが、psaL遺伝子破壊株を含め好熱光合成細菌の培養方法について一層の工夫が必要と思われる。
 今後は、早急に各構成要素技術を融合し、当初目標に掲げた成果を達成できるよう、また、製品化時における機能性の優位点なども考慮しつつ、着実に推進すべきである。


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