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鶏卵より作製した卵白たんぱく質水溶液に、2種類のイオン性界面活性剤を加えると、水相と分離した透明な液状物質である卵白たんぱく質凝縮体が形成される。この凝縮体を熱処理(70度で加熱)すると高強度なゲルが得られた。

卵の白身を使った高強度ゲル材料を開発

戦略的創造研究推進事業ERATO

JSTnews 2018年4月号掲載

生物の体を作る重要な成分であるたんぱく質は、金属やセラミックスに続く次世代の材料として注目されています。しかし、微生物や細胞を培養し生産するため時間も費用もかかるという問題がありました。

東京工業大学科学技術創成研究院の野島達也特任助教(現・中国東南大学准教授)、彌田智一教授(現・同志社大学教授)らは、大量かつ安く入手できる食品たんぱく質である卵白に注目しました。卵白は透明で流動性のある生の状態から、加熱により白く弾力を持ったゆで卵の状態(ゲル状態)に変わります。このよく知られた現象に着目して、ゆで卵の150倍以上の強度を持つ新材料を開発しました。

通常のゆで卵の白身では、たんぱく質はランダムに絡まり合ってゲル状態となっています。研究グループは、卵白たんぱく質を一定間隔に集積させて加熱すれば、たんぱく質は規則的に絡まり合って、強度の高いゲルが形成すると考えました。研究グループは、これまでに、たんぱく質にイオン性界面活性剤を加えることで、水中のたんぱく質が一定間隔に集積した物質「たんぱく質凝縮体」を形成させる技術を開発してきました。この技術を卵白に応用してみると、卵白たんぱく質が一定間隔に集積しました。さらにこの状態で、70度で熱処理することで実際に高強度なゲルができました。

手術糸や関節軟骨再生の素材など体内に残留せずに一定期間後に吸収されるような医療用の素材や、グミや麺など新たな食感を持つ低糖質食品への応用が期待されます。

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