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プロジェクト現場から

「科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラム」
第5回プログラムサロン(2014年1月22日)開催報告

 プログラムサロンは、本プログラムを現実の政策形成に活用できるものにするための議論を目的とし、これまでは主に各プロジェクトの紹介を行ってきました。今後はこれらに加えて、科学技術イノベーション政策のための科学として「特定の研究分野にどのようなことが期待できるか」を、種々の分野の研究者・関係者が一緒に考える学際的な場も提供していきたいと思っています。

 第5回のサロンでは「経済学」を取り上げ、「科学技術イノベーション政策のための科学として「経済学」に何を期待できるか」と題し、マクロ経済学とミクロ経済学がどう活かせるのかについて議論しました。(案内:第5回プログラムサロン )

 今回のプレゼンターは一橋大学の楡井誠准教授 と青木玲子教授のおふたりで、「科学技術イノベーション政策のための科学」のなかで、それぞれマクロ経済学とミクロ経済学のフレームワークを活かして研究を行っているプロジェクトのリーダーです。楡井リーダーからは主にマクロ経済学の前提・進展の経緯・各方法の特色などが、青木リーダーからは主にミクロ経済学で経済的に解釈できる例が紹介されました。

 ディスカッションでは以下のような要望や問題提起がなされ、新しいチャレンジへの励ましを含む、質の高い議論が行われました。

  • ○特にミクロ経済学のフレームワークによって、現実のいろいろな現象を経済的のフレームワークでシンプルに表し、経済的に評価してもらいたいという要求は多い。
  • ○しかし、現実社会は複雑であり、世界で発展しつつある複雑系の経済学の知見をもっと活かしていく必要があるだろう。
  • ○法と経済学の関係からは、乱暴・極論に陥らない責任のとれる分析結果が求められる。また、個々の経済分析は特定の価値観に従うべきではなく、中立性を保つべきである。
  • ○科学技術投資の妥当性を議論するうえで、マクロ経済学モデルの検討への期待も大きい。しかし、既存のマクロ経済学における(物的)資本・労働(人的資本)・生産性向上などにおける前提が、特に知識財・サービスなどを提供しうる科学技術イノベーション政策においては、もはや古典的すぎる感が否めない。
  • ○量的過剰感・質的向上の議論へ踏み込むことが求められる現代において、統計によって量のみを扱うという従来のマクロモデルの基本的な前提に対しても、再検討が求められる時期に来ているのではないか。
  • ○各プロジェクトではシンプルなモデルを基本として進めることが望ましいが、その一方で、アカデミアの(特に若手の)検討においては、旧来モデルに捉われすぎない、新しい発想の議論も試みてほしい。

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