イカから出る廃棄物の再利用法~イカでイカを釣る~

2025年度 次世代賞
団体名:山口県立徳山高等学校 IKA girls
解決したい社会課題
- 海洋ゴミや釣り具放置による環境負荷を減らし、故郷のきれいな海を守りたい
- 廃棄物を活用して、低コストで環境にやさしい素材を開発したい
取り組み内容
海洋プラスチックごみ問題は広く知られた社会課題であるが、特に深刻なもののひとつに放棄や投棄により海に流出した漁具である「ゴーストギア」がある。簡単には回収できないものが多く、海を漂いながら海洋生物を傷つけ続け、海洋環境や漁業にも悪影響を及ぼしている。
この取り組みでは、山口県の高校生2名が、通常は廃棄されるイカの甲を原料にした生分解性プラスチックの作製に挑戦した。三方を海で囲まれる山口県では漁業も盛んであるが、海洋ごみが多く見られる海岸もあり、そこには放置された大量のイカ釣り用疑似餌「エギ」も含まれる。地元の海で放置されたプラスチック製エギに着目し、それらを環境負荷が低い材質のものに替えることでプラスチック問題の解決を目指したい、という思いで始まった取り組みである。
実際の工程では、地元のスーパーなどの協力で入手したイカの甲からβキチンを含むキチンナノファイバーを抽出し、複数種類の架橋剤を用いて市販のセルロースナノファイバーと結合させβキチン由来のプラスチックを作製した。大学教授の支援も受け、さまざまな配合での実験を繰り返し、状態の良いものにつき土中と海中での生分解の状態を検証して表面が軟化することも確認した。また、βキチン由来のプラスチックで作ったエギを使ったイカ釣りにも成功し、自ら実用化の可能性も示している。
高校の課題研究から始まった取り組みだが、今後も耐久性の向上やアレルゲンの有無の検証など、地球環境問題の解決を目指した研究を継続していこうとしている。
わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)
『イカの甲ってプラスチックに似てない?』という一言から私たちの取り組みが始まりました。
海洋ごみ問題の解決には行政の取り組みだけでなく、個々人の意識改革が不可欠ですが、私たちの研究を通じて少しでも海洋ごみ問題に関心を持つ方が増えるきっかけとなれば幸いです。
まだ小さな一歩ですが、地球環境問題の解決に向けて、引き続き研究を進めたいと思います。
取り組みについてのお問い合わせ先
- 「STI for SDGs」アワード事務局宛にメールでお問い合わせください
sdgs-award★jst.go.jp
※お問い合わせの際には★を@に変えてください。



