水素の大規模貯蔵輸送技術の実用化による脱炭素社会構築の推進活動

2025年度 優秀賞
団体名:千代田化工建設株式会社
解決したい社会課題
- 水素を安全かつ効率的に 「貯める」・「運ぶ」 技術で、持続可能な水素社会を実現したい
- 脱炭素社会の実現を通して、地球温暖化防止と経済成長の両立を図りたい
取り組み内容
地球温暖化による気候変動は持続可能な社会の実現に大きな影響を与えているが、特にエネルギー分野では、化石燃料依存からの脱却と安定的かつ低炭素なエネルギー供給体制の構築が急務となっている。中でも水素は、燃焼時にCO₂を排出しない次世代エネルギーとして期待されている一方、安全かつ効率的な輸送・貯蔵技術の確立が課題となっている。
この取り組みでは、20年以上にわたる水素エネルギー実用化の研究開発により、水素を常温・常圧の液体として安全かつ効率的に輸送・貯蔵できる「LOHC-MCH法※(水素キャリア技術)」を開発。水素をメチルシクロヘキサン(MCH)に変換して輸送し、使用時に水素とトルエンに分離することで、既存の石油インフラを活用した水素供給を可能にした。既存のインフラ活用ができることで設備投資を抑えつつ広域展開が可能であり、腐食性や毒性が低い汎用化学品を用いることから安全性にも優れている。また、従来課題であった脱水素触媒の寿命を改善し、400℃以下の低温で高収率を5年以上維持して連続稼働できる工業触媒として十分な高性能触媒の開発にも成功した。
2013年からのパイロット実証を経て、2020年にはブルネイから川崎への国際水素輸送にも成功。現在は、国内外の多くのステークホルダーと連携し、水素社会の実現に向けた技術展開で脱炭素社会の実現を目指している。
- ※ LOHC-MCH法:LOHC(Liquid Organic Hydrogen Carrier)としてMCHを利用する方法
わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)
2002年に開発の鍵となるMCHから水素を取り出す脱水素触媒の基礎研究に着手して以来、触媒開発、パイロット実証によるプロセス技術の確立を経て、2020年に国際間水素サプライチェーン実証を世界に先駆けて完了して商業化段階に至るまで20年以上にわたる研究開発を完了しています。水素を大規模輸送するシステムとしては最も安価で安心・安全な技術として完成しており、現在は国内外の多くのステークホルダーの方々と事業化の検討を実施しています。本システムの実用化を通じてSDGsゴールの達成に貢献したいと考えています。





