映画の撮影のような災害医療救護訓練。楽しく、科学的で、効果的な防災訓練を実現する素材集「トリアージ72」。マニュアルから「傷シール」まですべて無料公開

ニーズ

研究開発プロジェクト名

「災害医療救護訓練の科学的解析に基づく都市減災コミュニティの創造に関する研究開発」

研究代表者

太田 祥一(東京医科大学 救急医学講座 教授)

研究開発期間

平成25(2013)年度~平成29(2017)年度

報告書

成果報告書(PDF: 298KB)

領域・プログラムWebサイト

「コミュニティがつなぐ安全・安心な都市・地域の創造」研究開発領域

大規模災害発生時の医療には、地元に居住・勤務・通学する一般市民の協力は不可欠です。しかし、市区町村の緊急医療救護所や災害関連病院が、市民と共に行う災害医療救護訓練は、必要性・緊急性を誰もが認識しているにも関わらず、あまり積極的に開催されていません。開催に大きな労力を要し、効果の高い訓練とするためのノウハウも不足しているからです。

太田プロジェクトは、その開催マニュアルやツールの開発を行い、「トリアージ72」としてパッケージにまとめ、サイトで無料公開しました。

たとえば災害医療救護訓練に欠かせない大きな要素として、「質の高い傷病者役」があります。このプロジェクトでは、希望参加者にムラージュシール(傷シール)を貼り、「傷病者症例カード」をもとに症状等を演じていただきます。

「演じる」という行為は意外な楽しさを伴い、映画の撮影のような迫真の演技が、訓練をエンタテインメントのように盛り上げます。結果、楽しみながら学ぶ「エデュテインメント」指向の、極めて質の高いプログラムとなっています。

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傷を演出するムラージュシールは、ダウンロードデータを粘着糊つきの紙に印字して使用できる。服の上から貼ってもOK。「傷病者症例カード」には、痛がりかたやセリフなどが具体的に記され、リアルな傷病者になりきることができる。中には、「症状の急変悪化」や「不安・クレーム」の演技指定も。

具体的な運用マニュアルの作成にあたっては、実際の訓練においてカメラで人の動きを記録し、会話を録音したうえで、解析を行いました。経験則ではなく、科学的指針に基づくノウハウとして、「医療救護所設営マニュアル」と「トリアージコミュニケーションマニュアル」をまとめています。

さらに、災害医療の基礎知識をゲーム感覚で学べる『災害医療タッチ』と、地域のイベント等で使用できるARゲームアプリ『災害医療クエスト』もご用意しました。iOS、Android対応です。

『災害医療タッチ』ダウンロード(iOS、Android対応)

App Store | Google Play

『災害医療クエスト』ダウンロード(iOS、Android対応)

App Store | Google Play

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「医療救護所設営マニュアル」は、学校等に医療救護所を設営するにあたり、動きに無駄がなく使いやすい救護所にするための推奨レイアウトを記載。「トリアージコミュニケーションマニュアル」は、多くの傷病者を短時間で確実に診断し必要な治療を行うために必要な、遣り取りのポイントを解説。たとえば問診は、通常時の「どうしました?」では始まらない。搬送等の指示も、より具体的にする必要がある。

運営規模は、医師3名、看護師3名、事務連絡3名、傷病者15名、医療救護ボランティア10名を想定していますが、規模に応じて素材を適宜アレンジしてお使いいただけます。「地域で導入したい」「実際の様子を見学したい」など、お気軽にお声がけください。

※所属・役職は、取材当時のものです。
(文責:RISTEX広報 公開日:令和元年9月11日)

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